職員の海外派遣

 概要

 京都大学ASEAN拠点では、「京都大学若手人材海外派遣事業 ジョン万プログラム」の一環である「事務職員短期派遣プログラム」の枠組みにおいて、事務職員が滞在し、オフィス運営の業務に当たっています。本プログラムは、主に若手職員を対象として、海外拠点において国際関係業務を経験し、語学のスキルアップを実現するための機会となっています。
 

 

過去の派遣者

  • 一宮 藍子  桂地区(工学研究科)経理課(令和4年4月~令和5年3月)
  • 福原 郁子  桂地区(工学研究科)教務課
  • 森井 庸介  医学研究科 総務企画課(平成31年4月~令和2年3月)
  • 田中 拓也  南西地区共通事務部経理課(平成30年8月~平成31年3月)
  • 馬場 景子  企画・情報部企画課(平成30年4月~平成30年7月)
  • 吉松 優希  教育推進・学生支援部国際教育交流課(平成29年10月~平成30年3月)
  • 鶴房 匠子  医学・病院構内共通事務部経理・研究協力課(平成29年4月~9月)
  • 小田 真玄  医学部附属病院医務課(平成28年10月~平成29年3月)
  • 塚原 美緒  医学部附属病院医療サービス課(平成28年4月~9月)
  • 立田 有香  総務部人事課(平成27年10月~平成28年3月)
  • 北脇 舞   南西地区共通事務部経理課(平成27年4月~9月)
  • 中久保 愛  医学部附属病院医務課(平成27年1月~3月)
  • 戸谷 向平  吉田南構内共通事務部国際企画室(平成26年12月~平成27年3月バンコク滞在)
  • 城 礼美   桂地区(工学研究科)経理事務センター(平成26年9月~12月バンコク滞在)
  • 川口 龍馬  財務部経理課(平成26年7月~9月バンコク滞在)
  • 藤永 澄夫  研究国際部研究推進課(平成26年5月~7月バンコク滞在)

 *バンコク赴任直前の所属を記載しています。

 

< 海外拠点赴任職員からの声 >

氏名:一宮 藍子 
所属:桂地区(工学研究科)経理課契約掛
期間:令和4年4月~令和5年3月(約1年)

 

 

 

 

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氏名:森井 庸介  
所属:医学研究科総務企画課
期間:平成31年4月~令和2年3月(約1年)

【拠点での業務】

 ASEAN 拠点では次の 4 つのミッションを掲げており、ジョン万スタッフにおいては拠点がこれらのミッションを遂行できるように尽力しました。
1. ASEAN 地域における研究活動の支援
JASTIP(※)などの部局横断型プロジェクトや先生方個別の研究活動等に対して幅広い支援を行いました。
※ JST 国際科学技術共同研究推進事業「日 ASEAN 科学技術イノベーション共同研究拠点-持続可能開発研究の推進」(http://jastip.org/)
2. ASEAN 地域における教育活動の支援
タイ王国、ミャンマーで行われた留学生フェアに参加、また iUP や工学部の入試を支援、本学の留学生獲得支援を行いました。
3. 本学教職員・学生の国際化の推進
JASTIP のシンポジウムや東南アジアネットワークフォーラム、チェンマイ大学の記念式典などの多くの国際イベントに参加し、自身の国際化を推進しました。
4. 広報・社会連携・ネットワーク形成
上記のとおり多くのイベントに参加、およびイベント開催を支援することで本学の国際ネットワークの拡大支援を行いました。
 また上記のミッションのほか、拠点運営業務を日々行い、拠点の円滑な運営を行いました。特に現地会計業務においては、タイ王国の税制や商慣習(1 バーツ未満のコインの取り扱いや LINE を用いた調整など)を適切に理解したうえで、本学の会計制度に合わせた手続きを行い、拠点予算の適切な管理に努めました。また年度末においては日に日に深刻化していくコロナ情勢の中、適切に決算業務および拠点閉鎖中(コロナを起因に一時閉鎖)の会計体制の整理を行い、拠点維持に尽力しました。

【研修を振り返って】

 私はこのプログラムに参加するまでは日本でしか生活・仕事をしたことがありませんでしたため、私の価値観は日本的価値観で占められていました。もしこの状態のまま諸外国の機関と仕事をした際、相手方の価値観、つまり多様性を受け入れることは難しかったと思います。勿論表面上受け入れることは出来たと思いますが、心から受け入れることは出来なかったと思います。このプログラムに参加し、諸外国の価値観、大切に思うものや宗教観、仕事への取り組み方、等多くのことを肌で学ぶことが出来ました。

この経験を活かし、国内外の業務を通じて多くの方々(人種、業種など問わず)とコミュニケーションを図り、自身のネットワークを拡大させ、ひいては本学のネットワークの拡大に寄与していきたいです。

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氏名:田中 拓也
所属:南西地区共通事務部経理課
期間:平成30年8月~平成31年3月(約8ヶ月)

【拠点での業務】

 私に課せられた最も重要なミッションの一つは、在タイ本邦大学初のNGO法人化を果たしたばかりの拠点の運営を、NGO法人のルールに適合したかたちに整理し直すことでした。 今までは、本邦にある京都大学のルールに従って処理等を行っていればよかったのですが、タイ政府公認の法人となったいま、「郷に行っては郷に従え」ということで、まずこの処理体系をタイ式に改める必要がありました。また、今まではなかったタイ政府等への活動報告義務も新たに課せられることにもなりました。まさに、拠点運営の歴史的過渡期にあたってしまったわけです。  こうした変化に対応すべく、本邦の京都大学本部と協力しながら策を練るわけですが、何せ在タイ本邦大学初、すなわち前例がないということで、どこかの大学の実践例を有難く参考にさせていただくというささやかな願いも叶わず、今までの常識や慣例を一旦すべて脇に置き、運営のあり方を一から検討し直す必要がありました。  こうして着任早々、ひたすらスクラップ・アンド・ビルドを繰り返す作業がはじまるわけですが、しばらくは「分からないことが分からない」という悲惨な状況が続きます。議論についていくことが出来ない自らの無力さに苛立ち、失望することもありました。しかしそれでも、周囲からの温かいサポートを得て必死に議論にくらいつき、がむしゃらに事に当たり、知識を蓄えてゆくと、徐序に全体像を掴めるようになり、「ここさえわかるようになれば、何とかなるな」という手応えを感じるようになります。これは快感でした。このようにして疑問点を整理した上で、現地職員とともにタイの取引業者や銀行、政府機関、コンサルティング会社にそれぞれ足を運び、そこでまた新たな疑問点が生じると、持ち帰って議論します。落としどころを見つけるまで、粘り強くこれを繰り返すわけです。すると、いつの間にか「わからない」ということをたのしめるようになっている自分がいることに驚きます。今までわからなかったことが、わかるようになるとやはりたのしいものです。「わからないけど、辛くない。わからないから、たのしい!」という、もはや苦痛を通り越して謎にハイな境地に達していたのかもしれません。

【研修を振り返って】

 このように拠点の運営体制を再構築しているうちに、私のタイでの8ヶ月間は瞬く間に過ぎ去ってゆきました。あまりに一瞬すぎたので、帰国前にはやり残したことがないか不安に駆られましたが、働く時は働き、遊ぶ時は遊ぶというメリハリのある生活を送ることが出来ていたので後悔はありません。  最後になりましたが、こんな素敵な研修に新卒入職3年目のひよっ子を参加させてくれた京都大学の懐の大きさには、我が大学ながら改めて感服します。この研修で得た貴重な経験の数々、そして「わからないことをたのしむ」という姿勢は、困難に直面した時に私を支えてくれる、確かな自信と力になっていると感じています。

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氏名:吉松 優希
所属:教育推進・学生支援部 国際教育交流課
期間:平成29年10月~平成30年3月(約6ヶ月)

【拠点での業務】

 大学の国際化が推進される今、京都大学でも外国人留学生や外国人研究者の方々と関係する仕事が多くあります。私自身は、大学職員として働き始めてから国際交流関係や教務関係の部署で働く機会が多かったため、海外研修にも積極的にチャレンジしてみたいという気持ちをずっと持っていました。 ASEAN拠点では、総務的な仕事や経理の仕事、学生対応、イベント開催支援等、幅広い業務を経験しました。最初は語学に自信がなく消極的になってしまうことや、日本とは異なる現地のルールや習慣により仕事がスムーズに進まず苦労したことも多々ありました。しかし、拠点のスタッフや日本側の関係部署からのサポートにより、なんとか乗り越えることができて、様々な部署に所属する職員一人一人の業務が繋がりあって、大学運営が成り立っていることを改めて実感しました。自分の行う業務が大学のどのような活動に繋がっていくのか、広い視野を持ち、積極的に業務に関わる姿勢を今後も大切にしたいです。 研修中、留学フェアに参加して大学紹介をしたり、留学相談を受ける機会に恵まれました。そのような場で、留学希望の学生や京大との学術交流を希望する研究者たちと顔を合わせて直接話をすることでその熱意や意欲を直に感じられたことが、とても印象に残っています。そのような人たちの希望を叶えて留学や研究交流が実現できるようサポートしたい、という気持ちがより強くなりました。今後、そのような気持ちをモチベーションに、事務職員として学生や研究者に寄り添ったサポートをしていきたいです。

【日常生活】

日常生活においても、慣れない海外生活に最初は不安を抱いていましたが、バンコクの街は想像していたよりも都会的で、快適な生活を送ることができました。休日には、タイ国内の寺院や市場等を巡るほか、家族や友人が来泰した際には、近隣のリゾートを旅行するなど、海外生活を満喫し、言語や生活習慣、食事、宗教等、日本とタイの文化の違いを楽しみながら学ぶことができました。

【研修を振り返って】

半年間の研修中には、苦労や失敗も多くありましたが、何事も経験、という前向きな気持ちを大切にしてきました。この研修で得た、日本ではできない多様な業務の経験、多くの人との出会いに感謝し、それらを今後の業務に活かしていきたいと思います。

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氏名:小田 真玄
所属:医学部附属病院医務課
期間:平成28年10月~平成29年3月(約6ヶ月)

【拠点での業務や感じたこと】

 英語を話せるようになりたいと思い、学習を始め、病院業務で外国人患者さんの対応等を行う中で、一度でいいから外国に住んで仕事をしてみたい、また英語の実践的なスキルアップができたらいいなと漠然と考えていました。そんな時にジョン万プログラムの募集があり、最後のチャンスだと思い、トライしてみることにしました。海外生活自体が初めてで、東南アジアにすら行ったことがなかったので、不安はありましたが、何とかなるだろうと思っていました。
 現地に着いてみると非常に蒸し暑く、電信柱は傾いていて、電線はグチャグチャで大丈夫かなと思いましたが、東南アジア特有の熱気に身を任せて、乗り切ればなんとかなると考えていました。ASEAN拠点の日常業務は、経理処理、照会文書対応、外国人講師招聘、宿泊施設手配、各種調整業務等、多岐にわたり、さらにこれらを英語で対応するため、大変苦労しました。拠点の現地スタッフは非常に英語が堪能で、業務において、タイの業者や関係機関に問い合わせ等を行う必要があった場合には、問題となっている事項を英語で説明し、通訳してもらっていました。現地スタッフとの英語でのコミュニケーションを通じて、語学能力の向上を実感したり、逆に英語での意思疎通の難しさにあらためて気づかされることがたくさんありましたが、拠点長やURAのフォローや助言のおかげで、英語でのコミュニケーションの困難さに直面した際にも、それらを語学力向上のモチベーションに変えて、なお一層、英語の学習に打ち込むことができたと感じています。日常業務以外では在タイ日本大使館主催の地方留学説明会に参加し、本学留学に関する説明をタイの地方の学生に行いました。初等教育機関で子供たちが日本語の授業を熱心に受ける様子を拝見したりと教育現場を実際に視察する機会もいただきました。地方の初中高等教育を取り巻く環境、日本語教育環境等を知ることができ、貴重な体験となりました。また、周辺国への出張においては、学術動向、留学生誘致に関する実態調査目的でミャンマーを訪れたり、インドネシア・マランで開催された「第6回東南アジアネットワークフォーラム」に参加し、スピーカーとして本学の説明を行う機会もいただきました。国際的な学術関連フォーラムで自分がスピーカーとして聴衆の面前に立つなど、ジョン万プログラムにエントリーした時から想像もしていなかったのですが、非常に貴重な体験となりました。
 いずれの業務においても、他大学・関係機関の職員の方々とふれあうことができ、新しい人的ネットワークが構築できた事は、この研修において一番の財産になったと感じています。また、ASEAN地域における学術振興、研究・教育支援、留学生誘致、ネットワーク形成等のため、最前線で奮闘されている拠点所長、URA、JASTIPコーディネーター、現地スタッフ、他関係者の皆様と仕事ができたことで、あらためて本学職員の一人一人のつながりをもって本学の運営がなされているということを実感することができました。今後、本研修で得られた知見、経験を活かし、本学の国際化、発展に貢献していきたいと考えています。

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氏名:塚原 美緒
所属:医学部附属病院医療サービス課
期間:平成28年4月~9月(約6ヶ月)

【拠点での業務】

 海外拠点での業務において日本と異なるのは、やはり言語の面です。電話対応やオフィス管理、物品購入等、日常的な場面においてタイの業者とのやり取りが必要になりますが、基本的にタイ語しか通じないことが多くありました。そのため、現地スタッフにその都度英語で事情を説明し、通訳してもらう必要がありました。現地スタッフは英語が堪能だったのでずいぶん助けられましたが、何をやってほしいか、何が問題かを英語で伝える能力の重要性を改めて認識させられました。
 一方、海外拠点での業務は国際的なイベントや海外出張等、華やかなものも多いですが、日常的に行っているのは拠点運営にかかる総務・会計業務、拠点スタッフのスケジュール管理、学内会議に向けた資料作成といった事務業務です。私が赴任した平成28年4月からは、拠点所長、URA職員、現地スタッフに加えてJASTIP(日ASEAN科学技術イノベーション共同研究拠点)コーディネーターも配置されたことから、スタッフ5名と賑やかな雰囲気で仕事をすることができました。経験豊富な先生やURAの方々から本学の取り組みについて教えていただける機会や、フットワークの軽さや情報処理の速さを間近で見ることができたのは貴重な体験でした。

【日常生活】

 観光大国であるタイでは、衣食住で困ることはないと思います。東南アジアの生活において衛生面を心配される方々も多いですが、料理はタイ料理から日本食まで、場所も屋台から高級レストランまで様々あります。私も着任直後はかなり慎重に過ごしていましたが、慣れてくると、屋台の果物や料理を楽しめるようになりました。休日には、タイ国内の寺院や市場等を巡るほか、ラオスやカンボジアの近隣諸国を訪れ、東南アジアならではの熱気を楽しむことができました。
 語学は、週2回語学学校に通い、タイ語を学びました。レストラン等で注文できる事が少しずつ増え、簡単なコミュニケーションも取れるようになりました。

【研修を振り返って】

 私が赴任したのは、ASEAN拠点設置から2年を迎え、職員の短期派遣が定着してきた頃でした。留学フェアや国際フォーラムへの参画など、今回の研修は非常に実りあるものとなりましたが、同時に、海外拠点で事務職員に求められている役割は何か、東南アジアにおいて一定の存在感を発揮できている本学が更に上を目指すためにどうすればよいのか、模索し続けた半年間でもありました。目の前の業務に精一杯で、明確な答えを出すには至りませんでしたが、拠点滞在時に感じたものを忘れずに、今後も考えていきたいと思っています。
 また、タイで培った人的ネットワークは、私にとってかけがえのないものになりました。タイに事務所を置いている大学・機関の教職員の方々とはイベントや留学フェア等で一緒になることも多く、海外にいる心細さを忘れてしまうほどでした。新たな人との繋がりは、今後の業務において重要になるのはもちろん、自分の視野も広がったように感じています。
 本研修を通じて得られた知見や経験は、海外研修であればこそ学べたものと感じています。これらの事を今後の業務に活かしていけるよう努めるとともに、経験を自分だけのものとせず、周囲へ発信していくことで本学職員の国際化に貢献していきたいです。
 

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氏名:立田 有香
所属:総務部人事課
期間:平成27年10月~平成28年3月(約6ヶ月)

【拠点での業務や感じたこと】

 事務職員として採用になった時から、いつか海外に関わる仕事もしてみたいな、と漠然と思っていましたが、ジョン万のお話しをいただいた時は、社会人になり、実際には英語の勉強もご無沙汰、国際部署に所属していた訳でもなく、海外と仕事をしたことも無い私が大丈夫だろうかと悩みました。しかし、実際に海外で生活しながら仕事ができる機会は滅多にない貴重な機会と思い、参加させていただくことになりました。 実際にタイで仕事を始めてみると、驚くことばかりでした。まず、時間もスケジュールも日本のように正確ではありません。会計面でも、大学の会計処理に必要な書類を揃えるために現地職員と協力して奔走したりと現地でしか味わえない経験をすることができました。
 また、私の滞在していた6か月間は、特に新たにJSTにより採択されたプロジェクトが本格的に始動した時期であり、先生やURAの方々は、協働機関への訪問等で多忙であり、時にはその席に同席させて頂いたり、オープニングセレモニーの準備等にも関わらせていただいたり、多忙な時間を過ごしました。関係諸国からVIPを招聘し、セレモニーの場所も在タイ日本大使公邸をお借りし、盛大に行い、日本ではなかなか体験することのできないことをたくさん経験したと思います。
 実は私にとって、今回のタイ滞在が初めての東南アジアでした。派遣当初は食事や環境、言葉に慣れるのに少し時間はかかりましたが、バンコクは大都会で生活をする上で困ることはほぼなく、必要なものは何でも手に入れることができました。また、拠点の方々も慣れない海外生活で不安な私を優しく支えてくださいました。帰る頃には、毎週末タイマッサージに行くほどに、タイでの生活も楽しんでいました。
 過ごしてみると6か月はあっという間でしたが、大変濃い時間でした。タイで出会った日本の他大学、他機関の方との繋がりもたくさんできました。今後仕事をするうえで、人との繋がりが大切になるということも身をもって経験できた滞在でした。
 帰国後は、教育推進・学生支援部国際教育交流課に配属になりました。主な業務は、派遣および受入学生の奨学金の支給に関する事務ですが、毎日窓口にはたくさんの留学生がやってきます。また海外とのやりとりを行うこともあり、海外の文化、仕事の仕方等を実際に海外で体験していたからスムーズに先方の事情を受け入れられることもあると実感しています。今は日々の仕事に精一杯ですが、今回の経験を活かして京都大学の国際化に貢献できる人材になれるよう励んでいきたいと思います。
 ジョン万への参加は、私にとっては大きなチャレンジでした。振り替えると、もっと積極的に関われてこともあったな、と思うこともありますが、反省点も含めてとても貴重な経験でした。私の派遣に関わっていくださった方、タイで出会った全ての方に感謝したいと思います。

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氏名:北脇 舞
所属:南西地区共通事務部経理課
期間:平成27年4月~9月(約6ヶ月)

【拠点での業務や感じたこと】

 拠点での主な活動のひとつに、在タイ大学連絡会の運営がありました。在タイ大学連絡会は、タイに拠点を置く日本の大学が互いに情報共有し、親睦を深めることを目的とし、京都大学も発起人の一人となって設立されたものです。私が赴任した期間は本学が幹事校を務めていたこともあり、会議の開催通知や議事録作成などの業務を行いました。バンコクに拠点を有する日本の大学は40校を超え、定期的に開催される連絡会には、多いときで日本人とタイ人を合わせて50名ほどの大学関係者が一堂に会しました。連絡会では、日・タイにおける教育研究活動に関して国立・私立の枠を超えた活発な議論や意見交換が行われるのを目の当たりにし、各大学の国際的な取り組みや課題について直に知識を深めることができたのに加え、本学の強みや、寄せられる期待について、客観的に知るきっかけにもなりました。さらに、連絡会を通して知り合った他大学の先生や職員の方の中には、帰国後も交流のある方もおり、ここで得られたネットワークは研修における大きな財産の一つとなっています。
 プライベートでは、休日を利用して様々な所へ旅行しました。中でも、ラオスとの国境沿いの農村にある、同じ拠点で働くタイ人スタッフの実家にホームステイしたことは一番の思い出です。果物収穫用のトラックの荷台に乗り込み、舗装されていない山道を進むこと約30分。間近にメコン川を見下ろせる山一面に広がる果樹園で、マンゴーなどの果物の収穫を手伝いながら、日頃のストレスや悩みから解放され心が浄化されたような気分になった体験は、今でも忘れられません。タイは華やかなビーチリゾートのイメージが強いかもしれませんが、山地や農村に残る田舎の原風景やマイペースでのどかな暮らしを堪能できるのも、タイならではの魅力だと思います。
 最初に上司からASEAN拠点へ赴任しないかという話をいただいたとき、正直、積極的に行きたいと思っていませんでした。それは、タイという馴染みのない地での生活に適応できるかという不安と、たった6ヶ月という短い期間で何が得られるのだろうという疑問があったからです。それでも、今となっては、そんな不安や疑問を押し切って拠点への赴任を決断して本当に良かったと、自信を持って言えます。拠点が位置するバンコクにはとても沢山の日本人が生活しており、東南アジアの他の都市に比べても日本人にとって暮らしやすい環境が整っています。また、6ヶ月間という限られた期間だからこそ、1日1日が貴重に感じられ、何事にも積極的に取り組もうとする意欲に結びつきました。さらに、何か困ったことがあっても、同じ拠点で勤務する拠点所長やURAスタッフだけでなく、日本から拠点担当の事務の方が手厚くサポートしてくださったおかげで、日々安心して生活を送ることができました。そういう意味では、私と同じような疑問や不安を持って躊躇されている方がいれば、とりあえずは挑戦されることを強くお薦めします。
 帰国後は秘書室の配属となり、拠点では外から大学を俯瞰していたのが今度は中から大学の動きを観察できる立場に変わり、大学全体の様々な問題をより多面的に捉えることができるようになったと感じています。拠点で養った広い視野やネットワークを活かして、今後も本学の国際化に貢献できる職員になることを目指して努力したいと思います。

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氏名:中久保 愛
所属:医学部附属病院医務課
期間:平成27年1月~3月(約3ヶ月)

【拠点での業務や感じたこと】

ASEAN拠点に派遣されるまで、病院事務ということで医事系の業務以外に携わったことがなく、国際系業務はもとより、総務、経理等の業務の知識も海外経験もありませんでした。そんな私ですが、拠点所長、URAをはじめとして、大学内外の多くの方に支えていただきながら、充実した3ヵ月の派遣期間を過ごすことができました。派遣前は大学や拠点に何らかの貢献ができるのか不安で、実際に知識の乏しさや力不足を痛感することも多くありました。一方で、拠点の経理処理から会議の運営など様々な業務を経験し、自分の強みを認識でき、自信を得ることもできました。 バンコクでの生活は、不安だった現地の食事にも適応でき、不自由なく過ごすことができました。業務内外で学内外の方と関わる機会も多く、貴重な繋がりを得ることもできました。休日は拠点派遣のURAに食事や遊びに連れて行ってもらうことも多く、毎週末が楽しみでした。語学面では、2ヵ月目から語学学校に通い、タイ語と英語を学びました。帰国する頃にはタイ語でごく簡単な会話ができるようになり、街を出歩くのもますます楽しくなっていました。 
帰国して病院での業務に戻りましたが、部署の異動もあり、外国人患者への対応の応援で呼ばれる機会が増えました。些細なことですが、このような今の自分の業務でできることから、京都大学の国際化に貢献することができればと思います。そして今後も、派遣中に培った積極的な姿勢を忘れず、広い知識と視野を持って日々の業務にあたるよう努めたいと考えています。

 

チャオプラヤー川クルーズwith藤枝さん 京都ASEANフォーラム予備会議懇親会にて

 

 

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氏名:戸谷 向平
所属:吉田南構内共通事務部国際企画室
期間:平成26年12月~平成27年3月(約3ヶ月)

【拠点での業務や感じたこと】

 「戸谷さん、来月からタイに行けますか?」。ある日突如として、私は上司からジョン万プログラムによるASEAN拠点赴任のお話をいただきました。国際系の部署に勤めていながら、実はその時点での海外経験が「台湾3日&アメリカ1週間」しかなかった自分にとって、海外研修は願っても無い好機。「YES」と即答し、拠点に赴任させていただく運びとなりました。

 私がASEAN拠点に滞在したのは三ヶ月余りでしたが、特に心に残っていることは大きく二つあります。一つは、事務職員として「京都大学と海外との懸け橋になる」という実感。もう一つは、大学の国際化に事務制度も対応していく必要があるという気付きです。

 拠点ならではの業務には、留学説明会や、京都大学とASEAN諸国メンバーとの国際会議などがありましたが、なかでも印象深いのは留学説明会でのプレゼンテーションで、100名以上の学生の眼前で京都大学を紹介するというのは私にとって初の体験でした。事務職員は多くの場面で裏方に回りがちだと思いますが、留学説明会の場では、自分が大学と海外とを繋ぐ主体そのもの。他大学の殆どが現地職員によるプレゼンテーションを行うなか自分だけが日本人で英語というハンデはありましたが、興味を抱いた学生がプレゼン後に追加の質問に来てくれた時は、「自分が今まさに、京都大学と海外との懸け橋になっている!」と強烈に実感できた瞬間です。

 そして、大学のグローバル展開には、それに合わせた事務制度の柔軟な運用もまた重要だと気付かされました。例えば、ASEAN拠点のお金は日本式の会計規則に則って使わなければならないものの、現地の慣習にもある程度合わせる必要があります。具体的なところでは、日本で業者に依頼を行うと見積書が出るのが普通ですが、タイでは発行できないという店もあり、本部のサポートを受けつつ代替手段を工夫する場面がありました。他にも、海外事務所に駐在している先生方から、海外での活動に伴う制度面での要望を数多く聞かせていただきました。大学本部では既に国際化に伴う各種の改革に着手されていますが、こと制度面での国際化は、今後事務職員が担うべき大事な役割だと感じています。

 真面目な話が長くなりましたが、業務外の時間は観光や食文化を大いに満喫しました。タイの寺院めぐり、チャオプラヤー川クルーズ、カンボジアのアンコール・ワット訪問…といった定番の観光はもちろん、日常レベルでは毎日屋台で食事をしたり、モタサイ(バイクタクシー)を積極利用したり、現地人と友達になって出掛けたり…。仕事上では日本人と接する機会が意外と多かったので、業務の外ではなるべく現地の文化に溶け込む日々を送りました。

 ASEAN拠点に赴任する機会をいただいて、日頃の業務とは異なるやり甲斐や、気付きを得ることができました。今後更に経験を積む中で、学びを大学にフィードバックしていきたいと思います。

 

 (1)留学説明会でのプレゼンテーション[Presentation_at _the_Education_Fair]  (4)ラマ8世橋を背に[In_Front_of Rama_VIII_Bridge] (3)屋台での食事[Meal_at_a Food_Stand] 

 

 

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氏名:川口 龍馬
所属:財務部経理課
期間:平成26年5月~7月(約3ヶ月)

【拠点での業務】

私が赴任したのは拠点の開所式直後で、滞在中のミッションとしては、日々の業務に加えて、拠点オフィス本格稼働のための環境を整備することでした。これまで準備室で運営していた拠点事務所から現在のオフィスに引っ越し、備品の調達や本格稼働のための諸契約を行いました。オフィス運営環境を整備するため、オフィス管理事務所の方にお願いしたことが、うまく伝わらず、幾度も同じことを管理事務所にかけあったり、学内会計規則との調整のため、拠点長とバンコク市内の主要銀行を走り回ったりと、海外ならではの言語や商慣習の違いで苦労に思うこともたくさんありましたが、拠点長や藤枝URAのご協力もあり、なんとかやりとげることができました。
【これから滞在する方へ】

 ASEAN拠点で非常によい経験ができたと思うのは、大きく2つあります。 一点目は、肩書の違う方々と関わる機会を得たことでした。学内教職員やバンコク市内に拠点を構える国内学術機関のスタッフ、バンコクをはじめとする海外の大学の教職員などと直接関わる機会を得ました。これにより、「京都大学は他の機関からどう思われて、どのような役割を期待されているのか、学内では職員がどう思われて、どのような役割を期待されているのか。」ということを、肌で感じ、自身を客観的に見つめ直す良い機会となりました。帰国後は求められる職員像に少しでも近づけるよう、業務に励み、モチベーションが向上しました。一定の業務を経験されて、マンネリを感じている方、自身のキャリアパスを考えたときにどっかで殻を破りたいを思っている方は、必ず良い経験が出来ると思います。

二つ目は、自身の未熟さを知れたことです。拠点での業務では、「京大では?」という話がよく話題に挙がります。もちろん、私も滞在時、知っていることの方がごくわずかで、全く自分が京大について無知であることに気付かされました。(恐らく他の経験者のみなさんも、少なからず経験されたのではないでしょうか。)これから拠点での業務をされる方々には、だれしもが経験する未熟さをポジティブにとられて欲しいです。 「知らん業務をいっぱい任されるんやったら、(よほどの知識がないと太刀打ちできひんし)行けへん!」 でなく、 「誰もが未熟さを経験するんやから、知らん自分を冷静に受け止め、その知識や機会を得られるよう意識して仕事しよう!」 という思考で臨んでほしいと思います。

ASEAN拠点における職員の業務は会計、総務・人事、国際交流と非常に幅広いです。そのため、自身の知らないことがある反面、これまでの業務経験を誰しもが生かせる環境にあると私は感じました。「何でも乗り越えて、自身を成長させたい」という強い気持ちで臨めば、必ずバンコクでの 経験は非常に有益なものとなると思います。興味がある方は、ぜひ積極的にチェレンジしてみてください。

 

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