本学アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)の同窓会が開催されました (9/29)

2017年9月29日、京都大学ASEAN拠点において、本学アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)の同窓会が開催されました。

ASAFASは、1998年4月に設立され、東南アジア研究センター(当時、現CSEAS)と共同の中核的研究拠点形成プロジェクト「アジア・アフリカにおける地域編成」を皮切りに、本学における東南アジア研究を牽引してまいりました。この度のバンコクにおける同窓会は、2018年春の「設立20周年」記念の一環として、本学の総長裁量経費を得て企画・実施されました。

研究会は大きく二部構成とし、前半は、本学のASEAN各地における海外拠点、連絡事務所およびフィールドステーション*が現地で展開する活動紹介が行われました。

ASAFASの竹田教授がチェアーを務め、マカッサル(インドネシア)(古澤准教授)、ミャンマー(CSEAS実践型地域研究推進室・安藤室長)、ラオス(竹田教授)、バンコク連絡事務所(和田研究員)のそれぞれのオフィスの活動事例が報告され、当ASEAN拠点からも、2014年の設立後の活動について報告をしました。

セミナーの後半はASAFAS玉田教授、岩田教授がチェアーを務め、本学に縁のある2名の現地研究者による講演がありました。「タイの地方における金権政治」(Viengrat Nethipo准教授、チュラロンコン大学)についての講演は、地方政治を有利に進めるうえでのマネーの利用の是非には、仏教におけるダルマ(規律)と法律上の規定という2つの異なる解釈がある、というユニークな視点での論題であり、政治における汚職(Corruption)とは何かという根本的な問いが交わされました。つぎの「外来魚の流入による生物資源の危機」(Prachya Musikasinthorn教授、カセサート大学)についての講演では、捕獲した魚や鳥獣を野に放ち殺生を戒めるという仏教の伝統儀式「放生会」(ほうじょうえ)によって、皮肉にも外来魚の放流に歯止めがつかず本来の生態系の破壊が進んでいる、という現状が報告されました。ともにタイと日本をつなぐ「仏教」の視点を織り交ぜ、現代の政治や環境面における課題を共有する発表でしたが、熱い議論が絶えないまま会は終了となりました。

セミナーの参加者は計15名、前半、後半の発表ともに、当地で開催するセミナーならではといった企画となりましたが、なかには遠く大韓民国から渡来された参加者もありました。セミナーの後は東南研バンコク連絡事務所に会場を移して懇親会が開催されましたが、議論の熱は冷めることなく、20年の歴史と絆を肌で感じた1日となりました。

*(参考)本学のASEAN地域のフィールドステーション等

Overseas Office and Facilities

ASAFAS Alumni Seminar In Bangkok 2017 Program

Program_20170929_ver7

 

ラオスフィールドステーションの紹介(竹田教授) ミャンマーフィールドステーションの紹介(安藤室長)
ASEAN拠点の紹介(鈴木副所長) 講演(Viengrat Nethipo准教授、チュラロンコン大学
講演(Prachya Musikasinthorn教授、カセサート大学) 参加者集合写真

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