ハイデルベルク大学・米ノートルダム大学共同サマースクール(計算化学)に参加して


■ ドイツでサマースクールに参加して(理学研究科修士課程1回生 菅澤裕也さん)

菅澤 裕也(すがさわ ゆうや)
 所属:理学研究科 量子化学研究室 修士課程1回生(留学当時)
 サマースクール先:Heidelberg-Notre Dame Joint Summer School in Computational Chemistry 2015  
 期間:平成27年7月6日から平成27年7月11日(6日間)

 ハイデルベルク大学と米ノートルダム大学が共同で行った計算化学に関する初めてのサマースクールに、京都大学から唯一参加した菅澤裕也さん(理学研究科 量子化学研究室修士課程1年生)。帰国から約1ヶ月経ち、あらためてその時の様子や印象についてお話を聞きました。

 学部時代に3週間ほどオーストラリアにホームステイ経験があったので、それなりに英語はわかるだろうと思っていたという菅澤さん。ところが、サマースクール開始後すぐに「何となく」の英語では進められないことがわかってきます。専門用語が飛び交う環境では、必ずしも相手はわかりやすい英語では話してくれません。講義ではたまたま、一番前の席が割り当てられていたので必死に集中していたそうです。「計算」が主題のセミナーだったので数式などは理解できたのが救いでした。

 スクールが行われたのはハイデルベルクの旧市街、中央通り沿いにあるInternationale Wissenschaftsforum (IWH; International Academic Forum Heidelberg)です。そこで月曜日から土曜日までの6日間、文字通り寝食を共にしながら27名の学生が過ごします(ハイデルベルク大学15名、ノートルダム大学9名、深圳大学2名、京都大学1名)。朝の8時半から午前中は2コマ(1コマ105分)の講義が行われます。ランチタイムを挟んで午後は二人一組でグループワーク、最終の土曜日はそのワーク結果のプレゼンテーションです。そもそもの対象が博士課程の学生だったので修士課程の菅澤さんにとって難易度はどうだったのかと聞いてみたところ、初心者への配慮もあり数式だけでない実際の計算例を見せながらの解説だったので特に問題はなかったとのこと。

 午後は二人一組で「自由に何か計算をして最終日に結果をまとめて発表する」という課題が与えられ、グループワークが行われました。菅澤さんはハイデルベルク大学の女子学生とペアになったのですがあいにく、彼女が体調を崩してしまってグループワークができず。最終発表も断念してしまったそうなのですが、「自分だけでもプレゼンをしておけばよかった」と今になって後悔している様子でした。

 プログラムはもちろん、講義だけではありません。参加者と交流を深めるエクスカージョンでは高台にある「Philosophenweg(哲学の道)」から美しい旧市街を眺めたり、ドイツ名物の地ビールの醸造所(試飲付き)を訪れたりしたそうです。そもそも、午前と午後のコーヒーブレーク(30分)、ランチタイム(75分)など参加者と親しくなる時間は十分にあり、唯一の日本人参加者の菅澤さんも当然、英語でコミュニケーションを図ります。一緒にいる時間が長くなると自分と合う相手も見つかって少し深い話ができるようになり、公式プログラム以上に、こういった時間が貴重だったようです。独米の大学のサマースクールではありますが、参加者は必ずしもその二カ国からだけとは限りません。実際、ベトナムや中国などの出身者と自分たちの将来のこと、各国のアカデミックキャリアの事情についてなど様々な話ができたのはとても有意義だったと嬉しそうに語ってくれました。

 「それにしても」と菅澤さん。「英語がもっとわかっていれば」と悔しそうです。「英語が伝わらず、萎縮してしまいました。もっと積極的になっていればと、今から思うとせっかくの機会がもったいなかった」と反省しきりで、京都に戻ってからはNHKの英語講座を聴くなど、意識的に英語に触れるようにしているそうです。サマースクール終了後に参加者がFacebookを立ち上げて自主的に交流が続けられているそうなので、こういった場を積極的に利用して英語で発信していくのもいいですよね。直に発言するより考える時間もありますし。最後に、次に続く人へのメッセージをお願いしました。「ガンガンいこうぜ!」。菅澤さんの今後の活躍に期待しています。ガンガン、いっちゃってください。

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ネッカー川前にて集合写真

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授業風景


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