ドイツでのハンブルグ大学サマースクールに参加して(理学研究科 別所 拓実さん)


ドイツでのハンブルグ大学サマースクールに参加して

別所 拓実 (べっしょ たくみ)
所属:理学研究科 物理学第一教室 凝縮系基礎論
サマースクール先:Summer School: Particles, Strings & Cosmology 2017
期間:2017年7月の1か月間

2017年7月3日〜28日の約1ヶ月間、独ハンブルク大学で行われたサマースクールに参加しました(Particles, Strings & Cosmology 2017)。専門は凝縮系物理なのですが、素粒子物理の手法を頻繁に使うのでそういった知識を得たい、また英語を身に着けたい、さらには欧米の講義の様子を体感したいなどといったことが参加の動機です。

このサマースクールには11か国から21人の学生、院生が参加しており、受講を通して世界中で物理の研究がおこなわれているという事実を、あらためて実感することができました。参加国を挙げると日本、中国、インド、スウェーデン、スペイン、イタリア、南アフリカ共和国、カナダ、アメリカ、メキシコ、チリです。まさか、チリやメキシコ、南アフリカ共和国で物理をやっている人たちとも交流ができるとは思いませんでした。

講義は午前9時から午後6時までで、物理だけでなく、ドイツ語、ハンブルグの歴史や文化の授業もありました。このサマースクールの目的にドイツやハンブルグのことも色々と知ってもらって将来、博士課程やポスドクなどで再訪してほしいという強い意図があるからなのか、物理以外の講義の割合もかなり多かったという印象です。

物理の講義は順番に各分野を学ぶという形式でした。まず一般相対性理論を学び、それを前提知識として場の量子論を学ぶ。それをまた前提に弦理論を学んだ上で宇宙論、そして最後に素粒子物理を学ぶ、といった感じでした。他に、凝縮系物理や数学の講義もわずかですがありました。また、講義形態は概念に重きを置いており、計算重視の日本とは違う側面から学ぶことができて面白かったです。

ドイツ語の授業はコミュニケーション重視で、難しかったですが、楽しかったです。事前にドイツ語の勉強を自分で少しだけやっておいたことがかなり役に立ちました。この授業のおかげで多少なりとも普段の生活で役立つドイツ語を用いて、現地の人と簡単なコミュニケーションを楽しめるようになりました。それでも、大抵の看板や掲示物、レストランのメニューはドイツ語で書かれていたので、やはり苦労はしました。英語を話せるドイツ人が多かったのはせめてもの救いです。

講義後は毎日のようにエクスカーションが企画されていて、その中で他のメンバーと会話を楽しみながら、英語が身についていったと思います。ビール醸造所や博物館の観光、バスケットボール、サッカー、ランニングなどを通して、他のメンバーから様々な国の大学事情が聴けたのも良かったです。

最初のころは、英語が思った以上に聞き取れず聞き返すことが多かったのですが、最後のころには特によく話していたメンバーの英語は聞き取れるようになっていて、喋るのがとても楽しかったです。また、いろんな国の特有の英語に慣れることもできました。

食事は十中八九とてもおいしかったです。他のメンバーに食事のことを聞かれる度においしいと答えていたら、「タクミはいつもおいしい、って答えるね」と言われるくらいには私としてはおいしい食事が多かったと思います(笑)。I was happy that I met good friends and good foods in Hamburg!! と帰国後にWhatsAppのサマースクール用のグループに書いたらウケました。

ハンブルグの街並みは美しいものでした。日本の建物に近い近代的な建物もありましたが、赤レンガの建物や西洋風の装飾の施した建物が多かったです。また、街のあちこちに壁の落書きが見られ、アートの一つになっていました。そういった混沌としつつも美しい町並みは最後まで見飽きることがありませんでした。


授業風景


大学前で記念撮影


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