第8回日独ジョイントレクチャー開催報告「自然災害に強い建物をどう実現するか?」


2018年3月20日に第8回 日独ジョイントレクチャー「自然災害に強い建物をどう実現するか?」を開催しました。
本レクチャーでは、京都大学防災研究所の西嶋一欽准教授が、甚大なサイクロン被害を受けたバヌアツ共和国において携わるJICA草の根事業「タンナ島における在来建設技術高度化支援」の事例を中心に、復興支援を通して得られた最新の調査成果を報告しました。

西嶋先生は、現地の専門家と共同で島各地の伝統建築構法や耐久性を調査しつつ、実際の再建のプロセスを通して復興に最適な建築構法を検討してきました。従来の災害復興支援の現場では、コンクリートを中心とする近代的な建材を用いた住居建設が進められる場合が多い一方で、土着の伝統的な建築が失われてしまうという危惧を指摘。文化の継承という側面のみならず、材料調達や住民による建設(セルフビルド)、また維持管理が容易であるという利便性をもつ伝統的な建築構法の価値を見直し、現地に最適な方法で再建支援を行うべきであると述べました。

コメンテーターに迎えたルカス・レーイ講師は、インドネシアの都市の洪水被害からの復興とマネジメントに関する調査に長年携わる経験から、地域の文化、生活、社会経済が海外の援助によって容易に変わりうることを指摘。建築工学と社会人類学的な視点を横断するディスカッションが行われました。

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