訪問期間:
- 2024年 3月11日~ 3月29日
訪問目的:
- 将来的な共同研究の可能性を探る/ドイツの研究環境とドイツでのポスドクについて情報を得る
ドイツ側訪問先:
- Dr. Florian Pochstein(ルートヴィヒスブルク教育大学一般特別支援研究所 精神運動技能・運動教育)
参加した学会、イベント等:
- WLSB(ヴュルテンベルク州スポーツ協会)の「スポーツとインクルージョン」フォーラム (2024年3月21日、SpOrt, シュトゥットガルト)
プログラムへの応募動機
「身体活動のための動機づけ評価ツール(MAT-PA)」の検証
本プログラムに応募するまでに、私は自閉症スペクトラム障害(ASD)の子どもたち(体重増加のリスクが高いと思われる)のための「身体活動のための動機づけ評価ツール(MAT-PA)」の開発に取り組んでいました。このツールは日本の背景で開発されましたが、開発者である私は、世界中のASDの子どもたちに役立つツールであることを確かめたかったのです。そのため、ドイツのPIと協力し、ドイツでツールを検証することを計画していました。しかし、倫理的な問題や心配があったため、日本でMAT-PAを開発・検証した後、ドイツのPIを訪ねました。滞在中には、将来のMAT-PAコラボレーションの可能性と実現性、例えば私の開発したツール(Journal of autism and developmental disordersで査読中)受理後のドイツにおける異文化間検証実施などについて、話し合うミーティングを行いました。加えて、私はちょうどポスドクを探している時期で、ネットワークを広げるための情報を得たいと思っていました。
交流の成果
MAT-PAに関するフィードバックとヴュルテンベルク州における研究環境や特別支援教育についての理解
Dr. Florian Pochsteinは、私のツール(MAT-PA)に対してコメントをくれ、私の滞在中に、私のツールとよく似たツールを説明した本を紹介してくれました。ツール以外にも、彼の個人的な研究生活を教えてくれたので、ドイツの研究者としてのイメージをつかむことができました。またヴュルテンベルク州のスポーツ協会が開催したスポーツとインクルージョンのフォーラムにも連れて行っていただいたことで、ドイツで最も裕福な州のひとつであるヴュルテンベルク州のスポーツとインクルージョンについて学ぶことができました。裕福である一方、政策立案者は少し保守的なように思えました。しかし、保守的ではありますが、社会全体(西洋文化は個人主義を強化する)としては、日本(非西洋文化は集団主義を強化する)に比べ、障害に対する受容性と寛容性が高いようでした。
今後の展望
応募動機のところで述べたように、私のツール(MAT-PA)の異文化間検証について、将来ドイツで共同研究ができる可能性を得ました。滞在期間が非常に短く、春休みと重なっていたため、滞在中に他の研究者や学生にあまり会えなかったのが残念でした。すぐには実現しないかもしれませんが、ドイツで人権、障害者スポーツ、特別支援教育がどのように発展してきたかをより深く理解するために、長期客員研究員として行くことができればと考えています。


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