活動紹介・若手研究者レポート
領域間比較解析による神経細胞移動異常症の病因究明
張 喆菁
生命科学研究科・博士後期課程
ドイツ側パートナー機関:アーヘン工科大学 生物学研究所II
受給年度:2020年度

ドイツ側パートナー:

  • アーヘン工科大学 生物学研究所 II ジェラルディン・ジマー=ベンシュ博士

交流内容: 

  • 2回のリモート会議、1回の研究交流会

交流目的:

  • 脳発生におけるニューロン遊走が組織の機械的ストレスに受ける影響を、双方の持つ実験系を組み合わせて解析することを目的とした

ドイツ側若手研究者: 

  • アーヘン工科大学 生物学研究所II ダニエル・ペンソルド研究員
  • 本学担当教員:高等研究院 物質-細胞統合システム拠点 見学 美根子 教授

※新型コロナウィルス感染症の影響により、日本-ドイツ間の渡航ができなかったため、オンラインによる交流を実施しました。

 

プログラムへの応募動機

ニューロン種による普遍性と特異性の検証の共同実施

私が所属する見学研究室ではマウス脳発生におけるニューロン遊走の動態解析を小脳皮質の興奮性ニューロンの遊走をモデルとして研究している。共同申請者のジマー=ベンシュ博士は大脳皮質の抑制性介在ニューロンの遊走機構を解析しており、当研究室においてライブ観察技術と培養技術を習得するため、若手研究者を派遣したいという依頼があった。

そこでニューロン種による普遍性と特異性の検証を共同で行うことを提案し、双方向に若手研究者を派遣し研究交流を行う目的で本プログラムに申請した。

 

交流の成果

オンラインのミニシンポジウムを実施した

国際的な移動の制限下にあり、当初計画していたドイツ―日本間の渡航は断念せざるを得なかった。そこで当初計画していた共同研究に関する相互の研究を理解する目的で、オンラインのミニシンポジウムを企画した。オンライン会議のプラットフォーム構築のために本予算を使用した。京大側から2名、アーヘン大学から2名の若手研究者が発表を行い、活発な質問と議論が交わされ、相互理解が深まった。

研究打ち合わせを行った

研究発表の中で私の研究で用いられているパターン化基板がジマー=ベンシュ研究室のペンソルド研究員の研究に有用であるとの認識から、一度代表者間でオンライン会議を行った後、 ペンソルド研究員、本研究室の中澤助教を含めた研究打ち合わせを行った。

プロトコルを交換し各々で検証を行った

双方でプロトコルを交換し、研究の立ち上げが可能かを検証することにした。今後渡航制限の緩和を待って、ペンソルド研究員が本学を訪問し、共同研究を行う予定である。

 

今後の展望

今後もオンラインで情報共有を続け、状況が調い次第、ペンソルド研究員の訪問を受け入れ、パターン化基質を用いたニューロン遊走アッセイに関する共同研究を開始する予定である。

 


研究室にて


研究室にて2