活動紹介・若手研究者レポート
ネットワーク寸断下における道路輸送のためのMFDダイナミクスに基づく回復力最適化モデル
代 剣楠
工学研究科社会工学専攻 博士後期課程
受給年度:2023年度
ドイツ側パートナー情報:
ミュンヘン工科大学交通システム工学部
Prof. Dr. Constantinos Antoniou

日本側パートナー:

  • 京都大学 工学研究科 社会工学専攻  シュマッカー・ヤンディャク 准教授

訪問期間: 

  • 2023年 8月31日~ 10月 6日

訪問目的:

  • ミュンヘン工科大学で交通レジリエンス研究に協力し、EWGT会議で成果を発表するとともに、ドイツの交通政策に関する洞察を得る

ドイツ側訪問先:

  • Prof. Dr. Constantinos Antoniou(ミュンヘン工科大学交通システム工学部)

参加した学会、イベント等:

  • EWGT 2023年会議 (2023年9月5-8日、カンタブリア大学) 
  

プログラムへの応募動機

交通ネットワーク改善のための新たな知見

私の現在の研究は、自然災害や高需要期などの混乱に対する都市交通システムのレジリエンスの分析と改善に焦点を当てています。ドイツ、特にミュンヘン工科大学(TUM)は、この分野で最前線に立っています。京都-DAADプログラムは、コンスタンティノス・アントニウ教授やルー・チンロン博士課程の学生との共同研究を通じて、国際的な協力を強化し、高度な方法論に関する新しい洞察を得て、よりレジリエントな交通ネットワークの開発に貢献するための理想的な機会を提供してくれました。私はこのプログラムに応募し、国際協力を通じて研究を強化し、新たな知見を得て、交通ネットワークの改善に貢献したいと考えています。

 

交流の成果

共同研究と交通レジリエンスの指標開発

京都-DAAD交換留学生プログラムの一環として、ミュンヘン工科大学(TUM)を訪問し、アントニウ教授やルー・チンロンとの共同研究を継続しました。研究室メンバーの温かい歓迎のおかげで、滞在は非常に生産的でした。「マクロスコピックファンダメンタルダイアグラムに基づく交通レジリエンス定量化」に関連する研究を行い、ミュンヘンと京都のケーススタディを通じて指標の有用性を検証しました。リング型ネットワークとグリッド型ネットワークの違いが交通レジリエンスに与える影響も明らかにしました。

 

スペインでのEWGT会議での発表

ドイツ到着後、スペインで開催されたEWGT会議に出席し、ポスターセッションを行いました。ポスターでは、日本の鉄道駅需要のCOVID-19に対するレジリエンスをテーマに、需要減少と回復パターンを分析し、予測モデルを提案しました。多くの研究者と意見交換を行い、有益なフィードバックを得ることができました。

 

交通政策の研究とドイツでの経験

ルー・チンロンは9ユーロチケットの研究を発表し、この政策が駅の混雑に与える影響を分析しました。この研究は、COVID-19による需要損失に対処するための施策を理解する上で重要な洞察を提供しました。49ユーロのチケットを利用し、ミュンヘンや他の都市を訪れ、多くの貴重な洞察を得ました。

 

今後の展望

今回のミュンヘン滞在で築いた研究ネットワークを基盤として、これらのつながりをヨーロッパ全体およびさらに海外に拡大し、交通レジリエンス研究の進展に貢献したいと考えています。この経験は、将来の共同研究の新たな可能性を開き、交通システム研究に関するより広範な視点を提供してくれました。ミュンヘン工科大学との継続的な協力と、私たちの発見を日本国内外での都市交通レジリエンスの向上に適用することに期待しています。

 

ドイツ側ECRの活動

盧 慶龍 (ミュンヘン工科大学交通システム工学部 助教)

訪問期間: 

  • 2023年 5月 2日~ 7月 1日

訪問目的:

  • ネットワーク寸断下における道路輸送のためのMFDダイナミクスに基づく回復力最適化モデル

日本側訪問先:

  • シュマッカー・ヤンディャク 准教授(京都大学 工学研究科 社会工学専攻)