活動紹介・若手研究者レポート
持続可能なエネルギー転換政策の日独比較を目指して
一柳 絵美
地球環境学舎・博士後期課程
ドイツ側共同応募者: フロレンティン・コッペンボルク、ミュンヘン工科大学 バイエルン公共政策大学院
訪問期間:2019年8月26日~9月16日

ドイツ側受け入れ研究機関:

  • Prof. Dr. Miranda Schreurs / Dr. Florentine Koppenborg
    ミュンヘン工科大学 バイエルン公共政策大学院 環境・気候政策研究室

訪問先:

  • ベルリン自由大学 環境政策研究センター

訪問時期・期間: 2019年8月26日~9月16日 

参加イベント: 

  • ミュンヘン工科大学 ワークショップ「日本のエネルギー転換の比較」(2019年8月28-30日)
  • ミュンヘン工科大学 環境・気候政策研究室・政策分析研究室共同主催 博士後期課程学生用コロキウム(2019年8月30日)
  • ライナー・ルモワーヌ研究所(RLI)会議「エネルギー対話2019」(2019年9月6日)

訪問目的:

  • ドイツのエネルギー転換政策に関する知見を深める
  • 日独エネルギー転換に取り組む研究者とのネットワークの拡大

ドイツ側研究者の本学受け入れ:

  • 来訪者 :Dr. Florentine Koppenborg 、ミュンヘン工科大学 バイエルン公共政策大学院 環境・気候政策研究室
  • 受入期間: 2019年3月末~4月上旬 
  • 受入担当: 地球環境学堂 教授・宇佐美誠

 

 
 
 

プログラムへの応募動機

ドイツのエネルギー転換政策過程における市民参加に関する研究の展開を目指して

私の博士論文研究では、エネルギー転換政策過程における市民参加に関するドイツの事例を扱い、日独比較も視野に入れている。ドイツには、市民参加の先進的事例として、「市民社会諮問委員会」が存在する。本委員会では、若い世代を含む市民代表者が専門家とともに委員を務めている。
この事例研究の進展のため、関連分野で優れた業績を上げているドイツの研究者と国際会議で議論し、現地調査を行いたいと考えた。日独双方向の若手研究者の交流を促進するため、ミュンヘン工科大学の女性ポスドク研究者とともに本プログラムに応募した。

 

滞在の成果

日独エネルギー転換に関する研究ネットワークを拡大できた

訪独中は、①ミュンヘン工科大学のワークショップでの研究発表とコロキウムへの参加、②ライナー・ルモワーヌ研究所の会議での議論、③ベルリン自由大学環境政策研究センターの研究者との意見交換を行った。本プログラムでは、日独エネルギー転換研究に携わる若手を含む第一人者達とのネットワーク拡大によって、ミュンヘン工科大学と京都大学の研究室間の交流も深まった。

 

インタビュー調査・文献調査によってドイツ事例研究が進展した

前述の「市民社会諮問委員会」の事務局メンバーらにインタビュー調査を行い、本委員会の市民参加に関する貴重な一次資料を集めることができた。加えて、ベルリン国立図書館とベルリン自由大学図書館での文献調査で市民参加に関する最新のドイツ語の学術論文を入手した。これにより、事例研究の理論部分を強化できた。

 
ミュンヘン工科大学ワークショップにて

 
ミュンヘン工科大学ワークショップの会場
 
 ミュンヘン工科大学 バイエルン公共政策大学院

 

 

今後の展望

本プログラムによって得られた研究ネットワークや知見を土台に、市民参加や熟議民主主義研究の発展に貢献していきたい。近い将来、エネルギー転換部門での中長期的な日独研究連携にむけて触媒の役割を果たせるように、まずは博士論文研究を進めたい。