京都大学欧州拠点メールニュース No.87「チューリヒ大学再生医学研究所を訪問しました」


7月中旬、戦略的パートナー(SP)のチューリヒ大学を訪問しました。 欧州拠点からチューリヒ大学(UZH)へは何回も訪れていますが、戦略的 パートナーシップ協定を締結してからは初めてです。UZHの担当者に依頼して、 SPの核の一つである再生医学研究所(IREM, Institute for Regenerative Medicine) 訪問を予定に組んでもらいました。

チューリヒ中央駅から電車を乗り継いで約30分、チューリヒに隣接するシュリアレン (Schlieren)市にIREMの建物はあります。 研究所のエグゼクティマネージャー、幹細胞研究のヘッドに加えて本学の iPS細胞研究所(CiRA)で研究滞在していた若手研究者Mさんの3名が私たちを迎えて くださいました。

研究所や最先端研究を紹介した後、MさんがIREMとCiRAのこれまでの交流や連携について 説明してくださったのですが、その中で彼女のCiRAでの経験がもとになり、2021年9月に iPSC Core Facility がIREMに設置され、彼女自身がそのヘッドに就任したと紹介されました。 研究所内を案内してくださった時、あるスペースを見せながら「この仕組みはCiRAの真似を して作ったんです」と楽しそうに話をしてくださる様子にこちらも嬉しくなりました。

また、MさんはCiRAに滞在中、毎朝30分、本学の若手研究者と英語で話す時間を意図的に 設けていたそうです。京都の若手研究者ももっと世界で活躍できるように、という思いからで 今秋に久しぶりに京都滞在を計画しているMさんは「英語のレッスンも再開しなくては!」と 意欲満々の笑顔を見せていました。

今回、若手研究者が生き生きと活躍している現場を訪れることで、オンラインでは難しい、 対面交流ならではのエピソードの数々を伺うことができました。

今後も欧州からこのような情報発信を続けたいと考えています。

今月の目次

1. 欧州拠点 Now!
2. 国際共同研究のための資金公募情報
3. 若手研究者のための情報
4. 短期留学プログラム(語学研修・異文化交流)の公募情報
5. その他の情報

 

1. 欧州拠点 Now!

欧州拠点を訪れると、ハイデルベルク大学の有名な学生牢の見学がセットになっています。

合わせて時間があるとご案内するのがハイデルベルク大学の図書館で、中世ドイツの 宮廷詩人による美しい詩集、マネッセ写本を所蔵していることでも知られています。 いつもはレプリカが飾られていますが、「日本から皇族が訪問された時に本物を見たことがある」 と国際部長が自慢げに話してくれたことがあります。

先月訪れたベルギーのKU Leuven大学も図書館が観光名所です。実は日本とも関係が深く、 第一次世界大戦で図書館が全焼した後、1920年から1926年までの6回にわたって日本から 日本図書コレクションが寄贈され、その数は実に14,000冊に上ります。

現在、仏語系のUC Louvain大学との共同プロジェクトThe Japan Mirai Fundでデジタル化などが 進められています。

戦略的パートナーのウィーン大学の図書館は1365年創立とドイツ語圏最古の大学図書館として 歴史を感じさせるものでした。「1755-75年まで図書館が閉鎖されていた。トルコ戦争やペストで 大学の重要性が低下、イエズス会修道院の図書館が大学図書館の仕事を引き継いで宮廷図書館に 本が移された」「マリ・テレジアの時代に大学図書館が再開された」「当時の名残で大学図書館 自体は2000年まで大学ではなく国の直轄下にあった」という図書館が経てきた長い道のりを解説 した後、図書館長が「でもね、大学が財政難で勝手に本を売却しないよう、重要な本は国の所有に なっているのよ」とニヤリ。

欧州の大学図書館で、勉強中の学生さんの邪魔にならないよう、そっと歴史の息吹を 吸い込むと新しいアイディアが湧いてくるかもしれません。

 

2. 国際共同研究のための資金公募情報

海外のファンド情報をお探しの方はこちら↓
https://www.kura.kyoto-u.ac.jp/support/minkan/kaigaisearch/

■ JSPS二国間交流事業 特定国派遣研究者(ETH Zurich)(NEW)

  • 応募期間:2022年 8 月 24 日(水)~8 月 31 日(水)17:00
  • 派遣期間:3〜6ヶ月
  • 助成金額:渡航
  • 滞在費(2,500 スイスフラン/月)
  • 詳  細:https://www.jsps.go.jp/j-bilat/tokuteikoku/shinsei_bosyu.html

■ JSPS日独共同大学院プログラム

  • 締  切:2022年11月1日(火)(学内締切:10月中旬)
  • 集分野:全分野
  • 助成期間:最長5年
  • 助成金額:1,500万円以内/会計年度
  • 概  要:https://www.jsps.go.jp/j-jg_externship/04_download.html

■ 在日フランス大使館ポスド

  • 研究者向け研究滞在給費(SSHN)
  • 締  切:随時受付、随時審査
  • 申請資格:博士号を持つ若手及び中堅以上の研究者
  • 募集分野:全分野
  • 助成期間:15 日から最長 2 カ月(6 カ月まで調整可能)
  • 助成金額:滞在費と日仏間の往復航空費
  • 概  要:https://www.dropbox.com/s/cmp4z4eoi8lnaic/SSHN.pdf?dl=0[o1]

■ 京都大学-DAADパートナーシッププログラム(2023-2024)

  • 締  切:2022年9月15日(木)
  • 申請資格:詳細は概要参照、派遣対象は博士学位取得後5年以内の研究者
  • 募集分野:全分野
  • 助成期間:2023年4月~2024年3月31日(京大)
  • 助成金額:ECRsの滞在費と日独間の往復航空費等
  • 概  要:https://www.kura.kyoto-u.ac.jp/support/ekkyo/aida/Kyoto-daad2023/

■ JSPS二国間交流事業 共同研・セミナー

  • 締  切:2022年9月6日(火)17:00(学内締切:8月上旬 見込み)
  • 申請資格:下記URL参照
  • 募集分野:全分野
  • 欧州対象国:ベルギー、チェコ、フィンランド、フランス、ドイツ、ハンガリー、イタリア、リトアニア、オランダ、ポーランド、スロベニア、英国
  • 採用予定数:下記URL参照
  • 助成期間:1~2年
  • 助成金額:250万円以内/会計年度
  • 概  要:https://www.jsps.go.jp/j-bilat/semina/shinsei_bosyu.html

 

3. 若手研究者のための情報 (NEW)

■ ハンブルク大学との若手研究者交流支援二次公募(学内限定)(NEW)

  • 募集期間:2022 年8 月 2 日(火)6:59 まで
  • 派遣対象者:本学の助教、大学院生、研究員
  • 申請者:本学常勤の教員(教授、准教授、講師、助教)
  • 助成額:1研究者当たり最大40万円/3,000ユーロ
  • 採択件数:5名程度
  • 実施期間:2022年10月中旬-2023年3月上旬
  • 概要:https://yari.research.kyoto-u.ac.jp/fund-search/detail.php?id=5863

■ 若手研究者の欧州研究滞在支援(Imperial College London, Grantham Institute) 「JSPS海外特別研究員(いわゆる海外学振)」制度を活用し、同研究所で長期の研究滞在を  希望する若手研究者向けに支援を行います。 (1) オンライン説明会(日本語)

  • 日時:2022年8月29日(月)17時-18時
  • 参加登録フォーム(登録締切:8月26日(金)) https://forms.gle/AyG1LUNVPm7A7D4d9
  • (2) 支援申込フォーム https://forms.gle/dgya8LaL57CUS2ADA
  • 締切:2022年9月23日
  • 概要:支援内容については上記の「支援申込フォーム」をご覧ください。

■ マリーキュリーフェローシッププログラム MSCA Postdoctoral Fellowships 2022

  • 応募締切:2022年9月14日
  • 対象者:ポスドク
  • 支援内容:生活費、渡航費他(1-2年間)
  • 概要:https://marie-sklodowska-curie-actions.ec.europa.eu/actions/postdoctoral-fellowships

■ アーヘン工科大学 Advanced Research Opportunities Program (AROP)

  • 応募締切:2022年9月30日、2023年3月31日以降、半年に1回
  • 対象者:博士課程学生、ポスドク
  • 支援内容:渡航費支援1,000ユーロ、月額の助成額1,800ユーロ(6ヶ月まで)、  ドイツ語及び異文化研修
  • 概要:https://www.rwth-aachen.de/cms/root/studium/Im-Studium/Stipendien-Foerderung/~fhgwb/Advanced-Research-Opportunities-Program/?lidx=1

■ KU Leuven Research Internships

  • 世界でトップレベルのKU Leuven大学(ベルギー)は、本学を含むGlobal Exchange Partner を 対象に研究インターンシップを公募しています。 あらゆる研究分野で数多くのポジションが提供されていますので、海外での研究滞在を検討中の 方はぜひ、同大学のウェブサイトをご覧ください。
  • 詳 細:https://www.kuleuven.be/global/going-abroad/incoming-student-mobility/researchinternships

 

4. 短期留学プログラム(語学研修・異文化交流)の公募情報

■ ユトレヒト大学(オンライン)

  • 開催期間:2022年8月29日(月)~ 9月2日(金)
  • プログラム:AI-Aided Systematic Reviewing
  • 対象者:修士
  • 分野:経営学、医学、社会学、Public Health、生物学、政治学
  • 締 切:2022年8月15日(水)
  • 受講費:620ユーロ
  • 詳細:https://utrechtsummerschool.nl/courses/social-sciences/ai-aided-systematic-reviewing
  • 学内限定のKULASISページに短期プログラムに関する情報等が掲載されています。 https://www.k.kyoto-u.ac.jp/internal/information_detail?no=4049(学内限定)

 

5. その他の情報 

■ 欧州分子生物学研究所(EMBL)シンポジウム(オンライン)

  • 開催期間:2022年11月7日(金)~ 11月20日(木)
  • プログラム:The neurovascular interface
  • 締 切:2022年10月31日
  • 受講費: 125 ユーロ
  • 詳 細:https://www.embl.org/about/info/course-and-conference-office/events/ees22-11/?utm_source=EMBL+courses+and+conferences&utm_campaign=b0bd8d90eb-EES22-11_reminder&utm_medium=email&utm_term=0_b9f46bb4da-b0bd8d90eb-91016418

■ 新型コロナウイルス感染症への対応について 日本学生支援機構(JASSO)が新型コロナウイルスの対応に関する情報を随時、更新しています。 https://ryugaku.jasso.go.jp/link/link_safety/

■ 海外留学支援サイト

  • 運  営:日本学生支援機構(JASSO)
  • 詳  細:https://ryugaku.jasso.go.jp/

 


京都大学欧州拠点
拠点所長:横山 美夏
スタッフ@ハイデルベルク:ベアンド・キルヒナ
スタッフ@京都:神野 智世子、園部 太郎、鮎川 慧、小山田彩

Address:Augustinergasse 2, 69117 Heidelberg
Tel:(+49) (0)6221 54 30034
Email:info_eu@oc.kyoto-u.ac.jp
[WEB] https://www.oc.kyoto-u.ac.jp/overseas-centers/eu/
[Facebook] https://www.facebook.com/kuec.heidelberg/


バックナンバーはこちら:https://www.oc.kyoto-u.ac.jp/overseas-centers/eu/mailnews/

本メールニュースへの登録・退会をご希望の方は氏名・所属(学内の場合は部局名、肩書 等)・メールアドレスを、退会希望の方はその旨を欧州拠点までお知らせください。ご登録いただいている個人情報は、本拠点のプライバシーノーティスに準拠し、適正に取り扱ってまいります。
https://www.oc.kyoto-u.ac.jp/overseas-centers/eu/privacynotice/

 


pagetop
Search