小石かつら先生特別講義「Why Wagner?-なぜ日本の大学の入学式でワーグナーの曲が演奏されるのか-」を実施しました


12月14日(月)、ハイデルベルク大学音楽学部の講義室をお借りして、小石かつら助教(人文科学研究所、白眉センター)による”Warum Wagner? Einladung in die Gemeinschaft der Intellektuellen durch Wagners Musik”(「日本の大学の入学式ではなぜ、ワーグナーが演奏されるのか」)を開催しました。小石助教の専門はメンデルスゾーンやライプツィッヒの音楽なのですが、今回は日本の大学、それも歴史のある名門大学の入学式でワーグナーの「『ニュールンベルグのマイスタージンガー』前奏曲」が大学オーケストラによって毎年のように好んで演奏されているという実態について、歴史を遡ってデータとともに紹介されました。
クリスマス前の慌ただしい時期にも関わらず、ハイデルベルク大学の音楽学や日本学の学生・教職員だけでなく、ドイツ語での講演会ということもあって、ポスターやウェブサイトの告知をご覧になってお越しいただいた一般来場の方を含む23名の方にご参加いただきました。ドイツには、いわゆる日本と同じような入学式は無く、あっても出席する人は多くないので、京都大学や東京大学、早稲田大学などの大会場で行われる入学式の様子を興味深く、時には感嘆の声をあげてご覧になっていました。

約40分の講演に続くディスカッションタイムは、質問や意見を求める挙手が止むことは無く、多くの方に議論にご参加いただきました。「ワーグナーの音楽にはご褒美をもらう感覚があるのではないか」「自分は若い頃、人生に成功したらワーグナーの音楽が理解できるようになると言われた」等の持論を展開する方もいらっしゃれば、「式典参加者の多くは、この曲がワーグナーのものであることを知らない」という小石助教の発言に、日本の音楽教育や日本におけるクラシック音楽の位置付けなどについても議論が及びました。
当オフィスでは今後もこういった講演会を企画していく予定です。

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