第4回日独ジョイントレクチャー「日本における『戦後』概念の変遷と終焉」を開催(7/7・ハイデルベルク)


さる7月7日(金)に本学の貴志俊彦教授(東南アジア地域研究研究所)を講師に迎え、第4回日独ジョイントレクチャー「日本における『戦後』概念の変遷と終焉」が開催されました(ハイデルベルク大学京都オフィス・京都大学欧州拠点ハイデルベルクオフィスの共催)。ハイデルベルク大学は夏季試験直前の時期にも関わらず、大勢の来場者にお越しいただくことができました。

そもそも、いつから「戦後」なのか、という問いで始まったお話は、日本が関わったアジア諸国における戦後の違い、日本国内でも主権の回復と経済的な回復を遂げることで訪れた戦後は違うこと、さらにドイツあるいは欧州における戦後観にまで話題が及び、最後は貴志先生から「日本とヨーロッパで『戦後』について比較研究をしてみよう」という呼びかけでしめくくられました。

日独ジョイントレクチャーで恒例となっているディスカッサントに今回お願いしたのは、ハイデルベルク大学の若手有望研究者、琢磨・メルバー講師(Cluster of Excellence“Asia and Europe in a Global Context”修士課程Transcultural Studies)です。ドイツでは1945年5月8日、ドイツの無条件降伏によってヨーロッパでの第二次世界大戦が終結した時点をStunde Null(ゼロ時)といって、戦後の始まりが明確であることを述べられ、戦争における責任者の扱いや戦後和解のあり方など日本との違いをあげながら、現在の日本がおかれている状況は「戦後」と言えるのかという鋭い一言を投げかけられました。

今回、初めての試みとしてハイデルベルク大学に留学中の学生(文学研究科博士後期課程在学中の岡田勇督さん)に、当日の逐次通訳をお願いしました。哲学・神学専攻の岡田さんにとって必ずしも馴染みのある言葉ばかりではなかったと思いますが、レクチャー終了後、ドイツ人参加者からその見事な通訳ぶりに賛辞が送られていました。これは今回の講師をつとめて下さった貴志先生の「ぜひ、学生さんに様々な機会を与えたい」という後押しで実現したもの。拠点としてもそのサポートをすることができ、非常に光栄です。■

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