【2017年度AI DA】生命科学研究科・石川正真 研究員 滞在報告


石川正真(いしかわ しょうま)生命科学研究科・研究員

訪問先:ケルン大学の老化研究エクセレンスクラスター(CECAD)

訪問時期・期間:2017年11月末~12月中旬(2週間)

訪問目的:ドイツでの新たな研究ネットワークの開拓と長期滞在へ向けた研究基盤の構築

支援概要

渡航前の支援

KURAと欧州拠点(ハイデルベルグ)の各URAが、マックスプランク老化研究所およびCECADの教員に対する石川研究員のコンタクトを支援し、CECADでの短期滞在の許可取得までを支援した。また、ドイツへの渡航や同国内での生活全般についてのアドバイスを行った。

現地での支援

石川研究員のCECADの教員との面談の冒頭にて、欧州拠点とKURAによる研究支援のバックアップ体制を説明し、石川研究員と教員との円滑なディスカッションの導入を支援した。また、ケルン大学の国際担当者と石川研究員の面談をアレンジし、同氏の研究滞在を円滑に行うための体制作りやネットワーク形成を支援した。
加えて、ケルン大学でポスドク研究滞在をしている京都大学出身の若手研究者との意見交換会をアレンジし、在ケルンの日本人若手研究者間のネットワーク形成を支援した。

渡航後の支援

ドイツへのポスドク研究滞在にむけた研究者交流資金の獲得等を支援予定。

 

研究者からの報告

AIDAへの応募動機

私は現在所属する研究室において、細胞のがん化に対する防御反応とされる「細胞老化」という概念を拡張できる可能性を示す研究成果を得た。しかしこの仮説の普遍性を示すためには、より幅広いモデル生物を用いた検証が必要であるため、この研究分野で優れた業績を上げているドイツの研究者のもとで新たな実験系の構築を目指すことを考えた。
そこで、12月にケルン大学で開催される老化研究の学会に参加して同国内の研究者との交流を図ることを計画し、AIDAのプログラムに申請した。

滞在の成果

◆ドイツ老化研究財団(DGfA)の2017年会議にて同国の研究者と交流した

12月1日~2日にドイツ老化研究財団(DGfA)の2017年会議に参加してポスター発表を行うことによって、多くの研究者と交流することができた。また、細胞老化研究の著名な先生から、自身の研究の方向性に関する助言をいただき、今後さらに研究を発展させるための糸口を見出すことができた。

◆CECADの研究室に滞在して新たな実験手技を習得した

URA2名に同席いただいたCECADの教授との面談により約1週間の滞在を快諾いただいた。同教授の研究室において研究者と交流しつつ、新しい実験手法の習得ができた。

◆海外のトップクラスの研究環境を体験した

訪問先の研究室の充実した研究環境に触れることで、海外と日本の研究環境の様式の違いについて理解を深めることができた。ラボセミナーへの参加や実験を通じて、ワークライフバランスが非常によくとれた研究環境を体感することができた。

今後の展望

今回の訪独で得られた研究ネットワークを土台に、今後はそれらを欧州、海外全土へと拡大し、「細胞老化」という概念の拡張をはじめ、老化研究の発展に貢献していきたい。CECADの研究室でさらに長期間滞在させていただく糸口も得られたので、学位取得までの期間に、京都大学という国内でも特に恵まれた環境のもと、日本の研究環境の特質および自分自身の強みについて再考し、将来のドイツでの研究生活に備えたい。

CECADの滞在先研究室のメンバーとの交流

滞在先研究室で実験を行って得られた結果の一例
(線虫における蛍光タンパク質発現による神経細胞の可視化)

 


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