【2017年度AI DA】工学研究科 ヤン=ディーク・シュメッカー准教授 滞在報告


Jan-Dirk Schmöcker (ヤン=ディーク・シュメッカー)

工学研究科 都市社会工学専攻 准教授

訪問先:
  • カールスルーエ(企業)
  • ウイーン経済大学
  • ミュンヘン工科大学など

訪問時期・期間:2018年3月(2.5週間)

訪問目的:
  • ドイツにおけるネットワーク構築
  • 国際共同プロジェクト立ち上げの準備
 

 

支援概要

渡航前の支援

  • 国際共同プロジェクトの立ち上げに向けた学内資金の申請支援、外部資金情報の提供

 

渡航中の支援

  • 欧州拠点(ハイデルベルク)において日独共同研究資金の検討ミーティングを実施

 

渡航後の支援

  • 引き続き、外部資金獲得に向けた相談等を実施

 

 研究者からの報告

AIDAへの応募動機

ドイツにおける交通社会の専門家とのネットワークの再構築を目指して

私は、以前は交通ネットワークのモデリングフローに関する理論研究を行っていたが、近年は公共交通機関の電子発券(電子カードデータ)やETCデータ、携帯電話のデータなどの大規模なデータセットを使用した解析に取り組んでいる。現在の目標は、旅行者の行動をより理解し、ネットワークフローモデル構築にフィードバックすることである。

ドイツには近年このような方向性に焦点を当てた研究者が見られることから、ネットワーク構築のためにAIDAプログラムに申請した。また私はドイツ人であるが、大学在学中の18年前にドイツを離れ、その後は英国で教育を受け日本に移住している。そのため、AIDAの資金は、ドイツにおける交通社会の専門家とのネットワーク再構築の機会になると考えた。

 

滞在の成果

ドイツとオーストリアの様々な研究者とのネットワークが得られた

最初にカールスルーエに滞在し、世界をリードする輸送ソフトウェア会社を訪問した。進行中の研究と実現可能性について議論し、肯定的なフィードバックを得られたことにより、次の研究の方向が明確になった。

次に、京都大学欧州拠点(ハイデルベルグ)を訪問し、滞在中のURAと打ち合わせを行い、続く打ち合わせに備え日独の研究資金に関する情報を収集した。

続いて、オーストリアアルプスに位置するキッツビュールで開催された、ドイツ、スイス、オーストリアの研究グループによる「ウィンターセミナー」に参加し、ドイツの交通関係機関の主要関係者と新しいアイデアを交換する機会が得られた。またウィーンでは、電気自動車の需要をモデル化するためのワークショップに出席した。

最後に、ミュンヘン工科大学等の3人の教授の研究グループを訪問した。産業と密接に関係したこれらのネットワークが、将来の研究において強く役立つことを確信した。

 

具体的な研究プロポーザル作成を進める機会となった

ウィーン経済大学におけるワークショップでは、研究を進めるためアイデアが得られ、新しい輸送形態の需要のモデル化のために二国間の交流資金申請を検討することとした。 ミュンヘンでの会議では研究の拡張にむけて具体的なアイデアが得られ、「共有輸送」をテーマとする研究の方向性を決定した。

 

ドイツ側からも博士学生・スタッフ交流への関心が得られた

ミュンヘンの大学の博士課程の学生から、共同研究のための京都来訪に関心が寄せられた。 同様にミュンヘン側の教員も、私が指導する博士学生の訪問・受け入れを歓迎いただける体制を築くことができた。 さらに、スイスの著名な教授からも、サバティカルを利用した京都滞在に興味が示された。

 

 
ウィンターセミナーにおけるドイツ・オーストリアの研究者とのロールプレイ・ディスカッション   ウィンターセミナにおける発表

 

今後の展望

ドイツの研究者とネットワークを再構築する良い機会となった。 今年後半にヨーロッパで開催される会議に出席した後、ミュンヘン大学への短期フォローアップ訪問をすでに計画している。 ドイツとオーストリアの研究者の参画による、より具体的なプロジェクトの提案が期待できる。

 


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