第14回日独ジョイントレクチャー開催報告「帝国日本の旅券制度と渡航実態」(28/3・京都)


2019年3月28日に京都大学吉田国際交流会館で、第14回日独ジョイントレクチャー「帝国日本の旅券制度と渡航実態」を開催しました。講演者にハイデルベルク大学トランスカルチュラル・スタディーズセンターの山本 敬洋 助教、解説に京都大学 人文科学研究所のライル・デ・スーザ研究員を迎え、学内外の学生、研究者ら約30名が集う盛会となりました。

山本助教による講演では、昨年話題になった日本の旅券世界最強説を皮切りに、1866年に始まる日本の旅券制度の変遷が紹介されました。日本人移民の歴史と対比させながら、必ずしもすべての人の出入国を管理できていなかった時代から、徐々に日本と世界の旅券制度が確立され、旅券が国境を管理するツールとして機能し始めた様子が描き出されました。当時の旅行者の手記や旅券の写真がふんだんに紹介され、幕末からの日本人の移動の様子を具体的に思い描くことのできる講演でした。

日本人ディアスポラを研究するデ・スーザ研究員による解説では、山本助教の研究の紹介の後、導入期の旅券制度や当時の政府の思惑に関する質問が投げかけられました。参加者からも、徳川幕府や日本政府が気にしていた対外イメージと旅券との関係についての質問が多くあがり、活発な議論が行われました。

 

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