第16回日独ジョイントレクチャー開催報告「全国規模での研究用臨床データ活用:ドイツ医療情報学イニシアティブのMIRACUMコンソーシアム」(12/4・京都)


 2019年12月4日に京都大学吉田国際交流会館で、第16回日独ジョイントレクチャー「全国規模での研究用臨床データ活用:ドイツ医療情報学イニシアティブのMIRACUMコンソーシアム」を開催しました。講演者にハイデルベルク大学医学部マンハイムハインリッヒランツデジタルヘルスセンターのトーマス・ガンスラント教授、解説に京都大学大学院医学研究科の黒田知宏教授を迎え、学内外の学生、研究者ら20名強が集いました。

ガンスラント教授は講演で、ドイツで2015年に設立され、自身もメンバーであるMIRACUMコンソーシアム(Medical Informatics in Research and Care in University Medicine)の実装戦略やこれまでの成果と課題、そして今後の応用への展望を紹介しました。

それに対し本学附属病院の医療情報システムの構築や運用に携わる黒田教授は、ドイツとの比較を交えながら、日本における医療データプラットフォームの構築の経緯について解説。ドイツは戦略的に計画を立ててシステムを構築していくのに対し、日本は活動に基づいて構築していくところに大きなスタンスの違いがあり、両方とも一長一短であると議論が進みました。

その後会場からも具体的な運用に係る質問が相次ぎ、その後の交流の話題が少し具体化するなど、ジョイントレクチャー初の医学、情報系分野での開催となった今回も、盛会となりました。

また今回、ガンスラント教授は講演の前に、黒田教授案内のもと、京都大学附属病院で実際に臨床データが収集され、管理される様子を見学されました。そこでガンスラント教授からはたくさんの質問が飛び出し、大いに議論が盛り上がるなど、見学とレクチャーともに、双方に実りある会となりました。

ガンスラント教授によるレクチャー 京大病院見学の様子

要旨・プログラム・講師プロフィールはこちら

※MIRACUMコンソーシアムとは、ドイツ連邦教育・研究省の主導で形成された、相互運用可能な基盤の整備を目指した医療情報学に関する4つのコンソーシアムのうちの1つで、最大規模。エアランゲン大学を中心に、ハイデルベルク大学やドレスデン工科大学など10の機関が参加している。


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