要旨
自分とはなにか?これは自明のようであって、しかし、考え出すとよくわからないものでもある。この自明性を打ち崩す現象の一つが「二重身(ドッペルゲンガー)」であろう。
二重身は、自分自身を「外に」見る現象であり、統合失調症などの重い病の際に生じるといわれている。しかし、正常な人においても、たとえば疲れたときなどこれに類した体験をすることがあり、また、私たちは日常的に鏡のまえで「もう一人の私」に出会っている。
もし「もう一人の私」のほうが「本物」だとしたら、いったい私は誰なのだろう。この問いによって揺らされた「自分」から、ほんとうの「自分」をみつけるにはどうすればいいのだろうか?
本レクチャーでは、参加者の皆さんとともに「自分」とはなにか?というテーマに迫ってみたい。
開催報告
プログラム
18:15 | 開会 |
18:30 |
レクチャー 桑原 知子 教授(京都大学 教育学研究科・教育学環専攻臨床心理学講座) 「お前は誰だ? もう一人の私(二重身:ドッペルゲンガー)からの問い」 |
19:10 |
解説 ディルク・ハーゲマン 教授 (ハイデルベルク大学 心理学科・差動心理学部) |
19:30 | 質疑応答、ディスカッション |
19:45 | 閉会 |
司会進行:神野智世子(京都大学 欧州拠点)
参加登録
参加ご希望の方は10月1日(月)までに氏名、所属機関を記載の上、以下のメールアドレス宛ご連絡ください。
京都大学欧州拠点(KUEC)
メール: info_eu@oc.kyoto-u.ac.jp
電話: +49-(0)6221-54 30034
講師プロフィール
桑原 知子 教授
京都大学 教育学研究科・教育学環専攻臨床心理学講座
博士論文のテーマは「人格の二面性」について。その後も「もう一人の私」をテーマとして研究を続けている。また、学校現場におけるカウンセリングや、家庭裁判所調査官との共同研究など、心理療法を広い視野からとらえ、かつ、その本質を深く追求することを目的として、研究、実践を行っている。こうした研究を通して、心理療法の実践、普及に努め、社会へとその成果を還元することを目指している。
ディルク・ハーゲマン 教授
ハイデルベルク大学・心理学科・差動心理学部
※日独ジョイントレクチャーは、相互にオフィスを持つハイデルベルク大学と京都大学が、両大学の学術交流の深化と発展を目指し、不定期に開催しています。