イベント: RA協議会第6回年次大会
タイトル:「社会との共創による新たな若手研究者支援モデルの検討」
共同発表者: (一財)山岡記念財団、広島大学・東広島市、シュプリンガー=ネイチャー 、(公財)助成財団センター
日時・会場: 2020年9月17日(15:15-16:45) 、Webexを使用したオンライン会議(参加登録者限定)
プログラム: RA協議会第6回年次大会 セッションE-3 (予稿集PDFファイル)
RA協議会第6回年次大会においてセッションを開催しました
【セッション開催報告】
京都大学 学術研究支援室 【間:AI DA】チームは、9月17日に開催されたリサーチ・アドミニストレーター協議会(RA協議会)の第6回年次大会において、昨年に続いてセッションを企画・開催しました。今年の大会プログラムは全てがオンライン開催となりましたが、本セッションでは「社会との共創による新たな若手研究者支援モデルの検討」をテーマに掲げ、登壇者として、「緩やかなパートナー」である山岡記念財団とシュプリンガー=ネイチャー社、そして若手研究者と社会との連携を支援するプログラムを実施している広島大学・東広島市政策課題共同研究部門、さらに助成財団センターからそれぞれ担当者をお招きし、若手研究者の国際的な活躍を後押しする研究力評価につながる議論を展開しました。
当日午後のセッションでは計74名のオンライン参加者があり、前半の事例紹介(内容は次節をご覧ください)に続いて、後半に設けた質疑応答とディスカッションでは、各登壇者に加えて参加者も交えた活発な議論が行われました。その結果、社会の多分野において多様な立場で研究支援活動が行われており、特に近年は環境変化に適応した柔軟な取組が大切だとの認識が得られました。
しかし現実的には大学研究者と自治体等とのマッチングは容易ではない等の問題点の存在が浮かび上がり、それらの原因として関係者相互の認識不足であったり学内や社会での認知度が低いことなどが挙げられました。そして課題の克服のために必要なのは、それぞれの活動に取り組む関係者が、時に弱みも見せ合いつつ成功事例を共有することで、組織や立場の垣根を越えて共感できる間柄を構築し、ギブアンドテイクに基づく相互の信用創造を図ることで共創の関係を築くことである、という共通認識に至りました。
それだけに、大学における研究テーマや研究者についての目利きのできる専門人材としてのURAは、大学と社会の双方の価値観を理解できる柔軟な存在であることが求められているといえます。
所定のセッション時間枠の終了直後には参加者も含めたネットワーキングの場を設けたところ、問題意識を共有する他大学のURAが参加されて登壇者との間でより深い意見交換が行われました。夕刻の意見交換会の場での同様の交流事例と合わせて、京都大学学術研究支援室の[間:AI DA]チームが登壇者と参加者の間柄づくりの橋渡しの役目を果たすことができました。
* RA協議会の年次大会は、日本全国の大学や研究機関から約700名のURA(リサーチ・アドミニストレーター:Research Administrator)が集い、研究支援の動向やノウハウを共有する会合です。
【セッションの開催趣旨】
「社会との共創による新たな若手研究者支援モデルの検討」
京都大学は、若手研究者の国際的な研究交流の促進のためドイツ学術交流会(DAAD)と共同でマッチングファンドプログラム「DAAD-Kyoto University Partnership Programme towards SDGs」を設立し、国際共同研究の強化・促進を進めてきた。その活動を通じて、学外においても若手研究者の育成や研究の国際化推進といった志を同じくする様々な組織、例えば出版社などの民間企業や民間の助成財団、 地域の財界団体や文化機関等との交流を深め、連携して学術研究を支える活動を進めてきた。
これら学外のパートナーとの連携は、URA自身の研究力分析の向上や研究支援活動の多角化をもたらし大学の研究力強化に貢献するし、パートナー組織にとっても学術研究へのアクセス向上や産官学連携の推進などに役立ててもらえるであろう。
そこで本セッションではまず、京都大学において、様々な学外パートナーとのあいだでゆるやかな連携を深めてきた経緯について紹介する。続いて広島大学において、地方自治体と連携して地域の課題解決のための研究のマッチングや地域産業に資する共同研究を進めてきた取組を紹介する。最後にこれら研究の国際化や若手研究者の活躍、政策課題の解決といった共通課題に対する大学と社会との共創の事例検討を通じて、関係者からのコメントも頂きつつ、参加者全員で議論を深める場を設ける。
これらにより、URAが社会と一体となって学術研究の発展ならびに地域・国際社会との知の循環に貢献するような新たな研究支援モデルを検討するための契機としたい。
【セッションの構成】
(NEW 発表資料を掲載しました)
司会: 桑田 治(京都大学 学術研究支援室 主任URA)
□ 趣旨説明・講師紹介(→発表資料)
鈴木 環(京都大学 学術研究支援室 主任URA、年次大会実行委員)
桑田 治(同上、年次大会セッション担当者)
□ 京都大学の事例紹介
・民間助成財団・文化交流機関・学術出版社との共創による若手研究者支援(→発表資料)
園部太郎 (京都大学 学術研究支援室 主任URA)
アーロン・ヴィットフェルト(同上)
・民間助成財団による若手研究者支援の取組み(事例紹介)(→発表資料)
雪野 弘泰(山岡記念財団 常務理事)
□ 広島大学の事例紹介
・地方自治体との連携による政策課題解決と地域産業振興 ~広島大学と東広島市の事例~(→発表資料)
石原悠一郎(広島大学 東広島市政策課題共同研究部門 助教)
□パネルディスカッション・質疑応答
モデレーター: 仲野 安紗 (京都大学 学術研究支援室 主任URA)
コメンテーター: 渡辺 元 (助成財団センター 理事)、宮﨑亜矢子(シュプリンガー・ネイチャー )