ドイツ側パートナー:
- カールスルーエ工科大学 トーマス・ウィリアム・ブラウン博士
交流内容:
- メールでの情報交換、可視化ツールの活用
交流目的:
- エネルギーシステムのモデリングにおける様々なワークフローを学ぶ
※新型コロナウィルス感染症の影響により、日本-ドイツ間の渡航ができなかったため、オンラインによる交流を実施しました。
プログラムへの応募動機
現代の電力システムをシミュレートし、最適化するためのオープンソースのモデリングのフレームワークを開発した研究グループのワークフローを学ぶこと
私は現在日本の九州地方の様々なエネルギー移行経路をモデル化しているが、カールスルーエ工科大学のブラウン博士のチームが開発したオープンソースのツールPython for Power System Analysis(PyPSA)は、この研究を進める上で重要な役割を果たしている。ブラウン博士のチームは、このツールの開発以外にも、発電機や送電線、気象情報など、エネルギーモデリングに欠
かせないデータを集約するツールを開発している。京都大学・DAADパートナーシップ・プログラムに応募した目的は、ブラウン博士のチームがエネルギーモデリングを行う際のワークフローを学ぶためである。また、日本とドイツの比較研究も行いたいと考えた。
交流の成果
メールでの情報交換
COVID-19の影響で当初予定していたドイツ行きは叶わなかったものの、ブラウン博士のチームからメールでモデリングのアプローチに関する情報を得ることができた。オンラインでの共同研究は難しさもあるが、それでもメールでのやりとりは、研究上の問題を解決するのに役立った。
可視化ツールの活用
ブラウン博士のチームがヨーロッパのエネルギーの流れを視覚的に理解するために使用している可視化ツールについても調べた。その可視化ツールと既存の公開データを用いて、日本のエネルギーの流れを可視化することができた。
今後の展望
現在、カールスルーエ工科大学で開発されたツールを使って、京都大学で学位論文を仕上げている。ブラウン博士は、すでにベルリン工科大学に移っているが、PyPSAの継続的な開発を進めている。2022年初頭にPyPSAの開発者会議を開催する予定とのことなので、私もこの活動に参加して、このオープンソースのモデリングツールの発展に貢献したいと考えている。
マシュー・ドゥムラオさん
日本のエネルギーの流れを可視化した図