活動紹介・若手研究者レポート
放射線療法と免疫治療を組み合わせた新たながん治療法の開発にむけて
渡邉 翼
原子炉実験所 助教
訪問先:
- EMBL(欧州分子生物学研究所)
- DKFZ(ドイツがん研究センター)
訪問時期・期間:2017年9月(約2週間)

訪問時期・期間:2017年9月(約2週間)

訪問目的:

  • ドイツへの長期滞在に先立つネットワーク開拓
 

支援概要

渡航前の支援

10月からのフライブルク大学への2年間にわたる滞在に先立ち、欧州拠点は学術研究支援室のAI DAと協働して、EMBL(欧州分子生物学研究所)とDKFZ(ドイツがん研究センター)への訪問、研究者との面談のアレンジ等、現地でのネットワーク開拓を支援した。

現地でのの支援

生活や研究基盤の整備に関するアドバイスを行った。

フライブルク滞在中の研究生活や帰国後のイメージを描いてもらうことで、フライブルク滞在をより実りあるものにしていただこうと企画した。

渡航後の支援

10月以降のフライブルク大学滞在中も継続的に研究支援を行っていく予定。

研究者からの報告

AIDAへの応募動機

私はこれまで、ホウ素中性⼦捕捉療法の基礎研究を⾏ってきた。

将来的には、免疫治療と本治療を組み合わせたがん治療法を開発したいと考え、先駆的な研究を⾏っているドイツ・フライブルク⼤学に⻑期研究滞在を予定している。

また同⼤学はDKFZとコンソーシアムを形成しており、臨床と基礎実験の間を埋めるような知見を深め、ドイツの研究者とのネットワーク形成を⽬指して、AIDAのプログラムに応募した。

滞在の成果

ドイツのがん免疫療法臨床研究・重粒子線治療の著名な研究者とのネットワークができ、将来的な共同研究の⽷⼝を作ることができた。

著名な研究者たちから免疫療法と放射線療法の併⽤に向けて参考になる話を伺うことができた。
学会に参加するだけでは構築できない1対1の関係を築くことができ、共同研究の⽷⼝を作ることができた。
DKFZの重粒⼦線治療センターは世界でも稀な画期的なシステムを装備しており、現場を⾒ることができたのは感慨深かった。

CEMBLへ訪問後、紹介頂いたフライブルク日本人研究者の方を通して、フライブルクで研究する日本人研究者のネットワークも構築でき、定期的な交流会・情報交換などもできている。

⻑期留学に先立ち、ハイデルベルクの京⼤オフィスでは、スタッフから現地の⽣活情報、現地の保育コミュニティなど⼤学の事務担当者からは得難い情報を提供いただき、これから家族でドイツに⻑期赴任するに当たっての不安が解消された。

今後の展望

この度の滞在で得られたネットワークを基盤に、時間をかけてドイツの研究者との連携を深め、将来的には外部資⾦を獲得してドイツの研究者を招へいするなど、これからも交流を深めていきたい。


DKFZでの面談

ハイデルベルク大学付属病院のHeidelberg Ion Therapy Center見学