活動紹介・若手研究者レポート
神経細胞移動障害の原因解明 - 比較アプローチ
ゲオルグ ピシェラトフ
博士課程大学院生
ドイツ側パートナー情報:アーヘン工科大学生物学研究所II
         ジェラルディン ジマー ベンシュ 教授
受給年度:2022年度

ドイツ側パートナー:

  • Prof. Dr. Geraldine Zimmer-Bensch(RWTH Aachen University, Institute of Biology II)

訪問期間: 

  • 2022年08月2日~ 10月28日

訪問目的:

  • 日本-ドイツ間の新たな科学的協力関係の構築と国際科学交流の推進

日本側訪問先:

  • 見學美根子教授(高等研究院 物質-細胞統合システム拠点iCeMS)

日本で参加した学会、イベント等:

  •  iCeMS Retreat 2022 (2022年9月14日、京都)
  

プログラムへの応募動機

科学ネットワークの構築と微小管編成解析のための新しい実験技術習得

脳の発達は非常に複雑なプロセスであり、その破綻はさまざまな器質的・機能的な神経精神疾患の原因となります。 その中でも、増殖層の前駆細胞から生成された若い分裂後細胞が皮質や神経核の標的領域に向かって遊走することは重要なステップです。細胞骨格の再編成は遊走の動態制御の本質であり、皮質や神経核に適切なニューロンを配置するために不可欠です。 私は、共同研究を開始し、海外で科学ネットワークを構築し、細胞遊走制御の根底にある微小管編成を解析するための新しい実験技術を学ぶために、DAAD 助成金を申請しました。

 

交流の成果

海外のトップクラスの研究環境を体験

日本の iCeMS での滞在は素晴らしく、とても楽しかったです。その理由は次のとおりです。研究室チーム、研究室のスケジュール、および実験手順に関して懇切に指導を受け、メンバーとして参画させてもらいました。その結果、私は研究室で独立して作業し、一連の実験を計画・実行することができました。ここで、ドイツ国外の研究所がどのように構築され構造化されているかを初めて知りました。さらに、海外で多くの優れた研究者や専門家に会い、さらなる分析や実験を改善するための新しいアイデアや視点を与えてもらい、私の個人的な科学ネットワークは大幅に強化されました。これは、私の将来の学問的キャリアにとって重要です。さらに、毎週のラボミーティングと進捗レポートを通じて、専門的な英語を話すスキルとプレゼンテーションのスキルを大幅に向上させました。これは、さらなる科学的な講演やプレゼンテーションに役立ちます。また、日本の研究者のワークライフバランスについても多くのことを学びました。そこで得た経験により、今では個人的なワークライフバランスを振り返り、これまでドイツで得た経験と比較することができます。この滞在を通じて、海外の最先端の研究施設で働くことで、ドイツと日本の研究環境の異なるスタイルをよりよく理解し、現在および将来の仕事生活にこれを統合できるようになりました。

 

今後の展望

この交換プロジェクトにより、アーヘン工科大学の私たちの部門と京都大学iCeMSとの間の強力な協力関係を確立し、促進して、さまざまな神経細胞移動障害の原因に関する研究を改善することを目指しました。 この滞在は私に新しいアイデアをもたらし、将来の研究を改善するための様々な新しい技術を学びました。 さらに、このインターンシップは、研究環境としての日本と自分の強みについて考える機会を与えてくれました。