活動紹介・若手研究者レポート
コンデンシン分子モーターの歩進メカニズムの解明を目指して
寺川 剛
理学研究科・助教
受入先: 欧州分子生物学研究所(European Molecular Biology Laboratory)
訪問時期・期間:2018年12月2日~12月11日

ドイツ側受け入れ機関: 欧州分子生物学研究所(European Molecular Biology Laboratory)

訪問時期・期間:2018年12月2日-11日

訪問目的:

  • コンデンシンタンパク質の精製に成功したChristian Haering研究室とのネットワーク形成を行い、その精製方法を教わることで、今後のコンデンシン研究の基盤を形成する。
 
 

AIDAへの応募動機

ドイツのコンデンシン精製手法の導入を目指して

先行研究において私は、コンデンシンタンパク質がATPの加水分解エネルギーを利用してDNA上を一方向に歩進する分子モーターであることを明らかにした。しかし、その分子機構はわかっていない。そこで、Christian Haering研究室との国際研究ネットワークを形成して、様々な変異を導入したコンデンシンを精製して、コンデンシンがDNA上を歩進するメカニズムを明らかにすることを計画し、AIDAのプログラムに応募した。

 

滞在の成果

京都大学の研究室におけるコンデンシンタンパク質の精製に向けた基盤が整った

EMBLにおいてコンデンシンの精製の方法を教わり、野生型コンデンシンの精製を行った。精製したタンパク質をの活性を蛍光顕微鏡を用いて確認するために、京都大学に輸送した。
Christian Haering研究室との国際研究ネットワークを利用して、今後、コンデンシンタンパク質を京都大学で精製するために必要なプラスミドや酵母を輸送した。
また、10キロ塩基対以上のプラスミドを改変する方法を教わり、今後の変異体精製の基盤を構築した。

 


ハイデルベルクにある欧州分子生物学研究所(EMBL)

EMBLの研究者、本学OBとの交流

今後の展望

今回の訪独で得られた研究ネットワークを土台に、今後は京都大学にて、プラスミドの改変、コンデンシン変異体の精製、蛍光顕微鏡を用いたそれらの活性測定を行いたいと考えている。
また、コンデンシンの精製方法を研究室の学生に伝えることで、コンデンシン研究において第一線で研究が行えるように教育したいと考えている。
さらに、それらを通じて、コンデンシンの歩進の分子機構を明らかにしていきたいと考えている。