活動紹介・若手研究者レポート
【つながる間柄ストーリー 01】
大阪国際サイエンスクラブでつながる、京都大学と関西産業界の間柄
ヤン=ディーク・シュメッカー
工学研究科 都市社会工学専攻 准教授
イベント: 大阪国際サイエンスクラブ懇談会
時期・場所:2019年4月25日、大阪

イベント: 大阪国際サイエンスクラブ懇談会

講演タイトル:「シェアリングの動向と新たな輸送形態~日本国内外での事例をもとに~」

発表者: ヤン=ディーク・シュメッカー 工学研究科 都市社会工学専攻 准教授(2017年度 ドイツ派遣者)

時期・場所:2019年4月25日 、大阪科学技術センタービル

京都大学と関西地区の産業界に新たな間柄(AI DA)が生まれました

2019年4月25日に開催された大阪国際サイエンスクラブ国際交流懇談会において、工学研究科ヤン=ディーク・シュメッカー准教授が、「シェアリングの動向と新たな輸送形態~日本国内外での事例をもとに~」というテーマで講演しました。

大阪国際サイエンスクラブでは、ゲストとして招いた国内外の研究者・技術者が話題性の高いテーマについて講演し、関西地区の企業や財団など幅広い参加者を交えて懇談、知識の啓発をはかる交流会が定期的に開催されています。この度は、交通政策を研究するシュメッカー准教授に講演の機会をいただき、企業や財団等とのネットワークを拡大させる機会になりました。AI DA / DAAD-Kyoto Partnership プログラム運営事務局メンバーも懇談会に参加し、「間柄」を深めてまいりました。

シュメッカー准教授は、2017年度 AI DAプログラムによりドイツのカールスルーエ、ミュンヘン等に滞在。講演ではそのネットワーク開拓を通じて得られた知見をもとに、自動運転などのハードウェアの進歩や、ビッグデータを活用した公共交通政策など、近年の交通政策に関する世界の動向を広く紹介しました。とりわけ欧米では自動車だけではなく、駐車場そのものや、自転車、スケーター等のシェアリングも盛んに行われている事例を用いて、日本におけるシェアリングの可能性について提起しました。質疑応答では、「日本国内は新車市場やマイカー意識が高く、また市街地での駐車場確保の問題もあることからシェアリング文化が果たして根付くだろうか?」、「いや、いくつかの自治体では、駐車場運営にシェアリングの手法も取り入れており、可能性はあるだろう」など、様々な反響がありました。

こうした懇談会を通じて、アカデミアや若手研究者の国際的なアイディアがSDGsに関心をもつ多くの企業・財団の着想の一部となり、将来的な社会システムの変化をもたらす協働の「間柄」に繋がってゆくかもしれません。

 

間:AI DA / DAAD-Kyoto Partnership プログラム運営チームでは、本プログラムを活用してドイツで研究ネットワークを開拓された研究者が、こうした社会との連携を通じて国際共同研究のアイディアをさらに発展できる「間柄」をサポートしてゆきます。

 

講演要旨

カーシェアリングやバイクシェアリングなどといった新しい交通形態が,ここ数年急速に発展しています。シェアリング社会がますます注目される風潮の中,情報技術の進歩によってこれらのシェアモビリティが発展したのは必然的なことであります。その影響は多方面にわたり,利用者の利便性向上につながると同時に新たな問題を生み出すこととなります。特に,このシェアモビリティの料金設計や,既存の公共交通との関係性(連携や対立)については,慎重な議論を要します。本講演では実際の研究例を交えながら,これらの問題点やドイツの取組み等についても話題提供いただきます。

 

*シュマッカー准教授は、2017年度AI DAプログラムを活用して、カールスルーエやミュンヘン工科大学等で国際共同研究ネットワークを開拓しました(帰国後レポート)。

研究の詳細は、研究室ウェブサイトをご覧ください。

 

講演の様子

サイエンスクラブ事務局、参加者とのネットワーキング