活動紹介・若手研究者レポート
社会的バイアスを生み出す脳神経メカニズムの解明
スリシュティ・トリパーチ
霊長類研究所・博士後期課程
受入先: ライプニッツ労働環境・人的要因研究所
訪問期間:2020年2月24日~3月2日

ドイツ側受け入れ研究機関:

  • Prof. Dr. med. Michael Nitsche
    Scientific Director, ライプニッツ労働環境・人的要因研究所
  • Dr. Min-Fang Kuo
    ライプニッツ労働環境・人的要因研究所

訪問時期・期間: 2020年2月24日~3月2日

参加イベント: 

  • ライプニッツ労働環境・人的要因研究所 部門談話会 (2020年2月25日) 

訪問目的:

  • ドイツ ライプニッツ労働環境・人的要因研究所の研究グループとの、新たな共同研究プロジェクトの開拓とそれを通じた相互研究者派遣態勢の構築

プログラムへの応募動機

動物をモデルとした研究から得られた知見のヒトへの応用を目指して

私の現在所属する研究室では、げっ歯類や非ヒト霊長類といった動物をモデルとして、社会情報処理や、社会集団状況下での他個体に対する社会行動の制御の脳神経メカニズムを解明する研究を行ってきた。しかし、このような動物をモデルとした研究から得られた知見がヒトへと応用できるかどうかは、ヒトを直接、研究の対象とし、しかも、薬理学的操作による脳活動のコントロールと非侵襲的脳内刺激法を併せた研究手法を用いることが必要である。

そこで、このようなヒト研究を行って優れた業績を上げているドイツの研究者との共同研究プロジェクトを開拓するため、AIDAのプログラムに申請した。

 

滞在の成果

共同研究プロジェクトについての具体的な打合せを行った

訪問先の研究所のニッシュ博士、クオ博士との共同研究プロジェクトを年内に開始、推進できるように、具体的な研究計画や実施予定期間等の詳細に関して打ち合わせを行った。

若手研究者と研究に関しての様々な交流を行った

訪問先の研究所に滞在する間、研究所の多くの大学院生やポスドク研究員と研究について意見交換、交流することで、多様な研究内容について学ぶことができた。

新たなヒト研究手技を習得した

ヒト研究で用いられる非侵襲的経頭蓋刺激法、心理課題、脳波記録等の実験手技を教えてもらい、技術の新規習得ができた。

研究所の部門談話会で研究成果を発表した

滞在期間中、私たちの現在行っている研究成果を2月25日の部門談話会で発表した。参加者から多くの貴重な意見をいただき、今後の研究発展の方向性に関して展望を持つことができた。

 

今後の展望

今回の訪問先の研究所の研究者と交流を行い、具体的な共同研究プロジェクトについて打ち合せができたこと、そして新しいヒト研究の手技を習得できたことで、今後の研究発展の方向性が明確になった。

できれば、2020年度中に新規に研究費を獲得し、半年~1年間程度の長期滞在をしながら研究を実施したい。また、学位取得後にもドイツで研究を継続できるように準備をしてゆきたい。

 


研究所前にて撮影


Dr. NitscheDr. Kuoとの研究打ち合せ


非侵襲的経頭蓋刺激法の説明


Dr. NitscheDr. Kuoとの夕食会 


部門談話会での研究発表(浅岡)
 
部門談話会での研究発表(Tripathi)