活動紹介・若手研究者レポート
雲研究のための階層的気象モデルシステムの構築に向けて
柳瀬 友朗
防災研究所・博士後期課程
ドイツ側パートナー機関:マックス・プランク気象研究所(MPI-M)
受給年度:2020年度

ドイツ側パートナー:

  • マックス・プランク気象研究所 Prof. Dr. Bjorn Stevens

交流内容: 

  • オンラインでの情報交換、海外学会のオンライン聴講

交流目的:

  • 大気科学における数値モデリングと今後の連携についての議論

※新型コロナウィルス感染症の影響により、日本-ドイツ間の渡航ができなかったため、オンラインによる交流を実施しました。

 

プログラムへの応募動機

世界をリードする気候科学者から気候システムの数値モデル研究を学びたい

私はこれまで、理想化した数値シミュレーションを軸に雲の気候における役割を研究してきた。気候システムを理解するため、また気候の将来変化の見通しを得るためには、その具体的な研究目標に応じて、様々な複雑度を持った数値モデルを適切に駆使することが不可欠である。マックス・プランク気象研究所のBjorn Stevens博士は、多岐にわたる数値モデル研究を行なっている、世界をリードする気候科学者の一人である。私は、Stevens博士との交流を通じて、基礎研究から応用研究にいたる階層的な雲研究についての理解を深めたいと考え、本AIDAプログラムに申請した。

 

交流の成果

オンラインでの情報交換

COVID-19の影響を鑑み当初計画していたドイツへの渡航は断念したが、マックスプランク気象研究所のBjorn Stevens博士およびCathy Hohenegger博士とメールのやりとりを行い、ドイツ国内の研究ワークショップなどの開催状況について情報をいただいた。また、自身の研究について投稿論文の進捗状況を伝えた。

海外学会のオンライン聴講

一方、今年度は国際学会のオンライン開催が促進されたこともあり、例えば、Supercomputing ConferenceにおけるStevens博士の基調講演を日本国内からも聴講することが可能であったという良い面もあった。難しい社会情勢であるからこそ、オンライン会議などの利便性をうまくいかしていくことが重要であると学んだ。

 

今後の展望

まず今年一年は京都大学で自身の学位論文を完成させることに注力する。一方近い将来ポスドク研究員としてドイツに滞在することを念頭に置き、今回AIDAプログラムを通じて連絡をとった研究者に対して、今後も自身の研究の進捗状況を連絡するようにする。また、オンライン国際会議などの機会を積極的に活用するなど、ポストコロナ時代の研究スタイルに適応していきたいと考えている。

 


防災研究所 博士後期課程 柳瀬 友朗