活動紹介・若手研究者レポート
医療応用に向けた異種動物由来ヒト化心臓血管組織の開発
モシャ・アブラティ
医学部心臓血管外科・博士後期課程
ドイツ側パートナー機関:ハノーバー医科大学 ライプニッツ研究室(LEBAO)
受給年度:2020年度

ドイツ側パートナー:

  • ハノーバー医科大学 ライプニッツ研究室 Andres Hilfiker教授

訪問期間: 

  • 2020年10月8日~2021年3月19日

訪問目的:

  • ドイツでの新たな研究ネットワークの開拓と長期滞在へ向けた研究基盤の構築

 

プログラムへの応募動機

生体適合性の血管グラフトの作製に関連する新たな技術の習得に向けて

私は現在所属する研究室において、動物由来血管組織の脱細胞化による、大動脈手術時の新たな医療用材料としての生体適合性の血管グラフトの作製について研究してきたが、動物モデルへの移植後の再細胞化については十分とは言えず、新たな技術を導入する必要が生じた。そのため、ドイツにおいて心臓血管組織の脱細胞化および製品化を世界に先駆けて行っているドイツ側研究者のもとで同技術の習得を行うことを考えた。

そこで今回、DAAD-Kyoto Universityパートナーシッププログラムに申請し、ドイツに滞在することを計画した。

 

交流の成果

動物の心臓組織の脱細胞化・生化学的評価等の新たな実験手法を習得

ハノーバー医科大学胸部心臓血管移植外科のLEBAO研究室のAndres Hilfiker教授の下で研究室においてメンバーたちと交流しつつ、動物特にブタの心臓組織を脱細胞化・生化学的評価等の新たな実験手法を習得できた。

 

日本と異なる研究環境を体感できた

訪問先の研究室の充実した研究環境に触れることで、海外と日本の研究環境の様式の違いについて理解を深めることができた。ラボセミーティングへの参加や実験を通じて、ワークライフバランスが非常によくとれた研究環境を体感することができた。

 

今後の展望

今回の訪問では、ドイツ側施設と強固な研究ネットワークを構築することができた。今後本邦においても今回得られた技術をもとに脱細胞化血管組織の効率的な作製、品質の向上、ヒト細胞を用いることによるヒト化血管組織の作製などを進めていきたい。さらにドイツ側施設と共同での国際的研究グラントの獲得などを含めた双方のさらなる研究活動の推進および同技術の世界的な臨床応用に努めていきたい。

 


受入教員と研究室の外でも交流


滞在中に迎えた誕生日