活動紹介・若手研究者レポート
3次元細胞組織への細胞内デリバリー法の開発を目指して
秋柴 美沙穂
薬学研究科 博士後期課程
受入先: ヘルムホルツ研究所(ミュンヘン)(Helmholtz Zentrum München)
訪問時期・期間:2019年3月5日〜3月15日

ドイツ側受け入れ研究機関:

  • Prof. Matthias Meier, Group Leader, Helmholtz Zentrum München 

訪問時期・期間:

  • 2019年3月5日〜15日

訪問目的:

  • ヘルムホルツ研究所における長期研究滞在へむけた研究基盤の構築
 

AIDAへの応募動機

細胞内にバイオ高分子を効率的に導入する手法の開発にむけて

私はこれまでの研究において、細胞内にバイオ高分子を効率的に導入する手法を開発してきた。この手法の生理活性を評価するツールとして、マイクロ流路内で培養した3D組織モデルに着目している。マイクロエンジニアリングと組織工学に取り組むヘルムホルツ研究所(ミュンヘン)の研究グループに受け入れを希望し、長期の研究滞在をしたいと考えていた。研究所で行われている研究をふまえて自身の今後の研究テーマを深めるため、研究環境や機器を見学し、研究員とディスカッションをする機会を得たいと思い、AIDAプログラムに応募した。

 

滞在の成果

ヘルムホルツ研究所での長期滞在にむけた準備、研究者ネットワークの機会が得られた

今後の長期滞在に向けて、現在行われている研究と今後自分が行う研究について議論を交わし、渡航後の研究体制を整えることを目的として、ミュンヘンのヘルムホルツ研究所の研究室に1週間滞在した。滞在中はとくに、今後の研究に使用予定の装置を利用している学生・ポスドクと積極的に意見交換し、現状の問題点や装置・システムの限界等に関して知識を得た。今後の長期的な目標に加え、すぐに検討すべき短期的なタスクなどを受け入れ研究者と話し合い、今後必要となる物資や試薬等を手配するなど、スムーズに研究を始められるよう整えた。

1週間の滞在や、参加した研究所の定期ミーティングであるHPC kick-off meetingを通して、非常にオープンな研究環境に触れることができた。学生・ポスドク間でも他研究室との共同研究の芽を生み出すような空気を体感することができた。

 

いい天気だったので昼食後に外でコーヒーブレイクを取った。

 

研究室内のマイクロ流路デバイス。
3Dプリンター等を用いて作製したチップ上でスフェロイドが培養できる。

 

外国人研究者サポートオフィス。労働契約だけでなく銀行口座の作り方やビザ取得手続き等を指導してもらえる。長期滞在に向けたサポートを受けるため数回訪問した。

今後の展望

マイクロ流路のデザインおよび三次元組織の構築の技術と、自身のこれまでの研究と結びつけることで新たなネットワークを形成していきたい。本滞在を機に、短期的なタスクと必要な物資・機器が確認できたので、長期で滞在を始めるにあたって、スムーズに研究を開始できると思われる。また、長期的な目標に関しても議論することができたので、研究計画をまとめフェローシップに応募し、滞在資金の準備を進めてゆきたい。