「京都大学-チューリヒ大学 戦略的パートナーシップ ジョイントシンポジウム 2023:データサイエンスと社会的インパクト」を開催しました。(2023年3月7日、8日・於 京都大学)
京都大学はチューリヒ大学(University of Zurich)との共催で「京都大学-チューリヒ大学 戦略的パートナーシップ ジョイントシンポジウム2023」を京都大学にて開催しました。両大学は2013年の大学間学術交流協定以降活発な学術交流を推進し、2020年7月に両学長のリーダーシップのもとで戦略的パートナーシップ協定を締結しました。戦略的パートナーシップでは研究連携の分野横断的な展開、新しい学術分野での共同研究開拓、研究者の流動性促進などを目的にしています。
今回のシンポジウムでは再生医療、法学、植物科学や医療データなどの分野で行われてきた共同研究・教育交流の実績の紹介や分野横断的な議論、次世代研究者育成の実践、今後の展望についての検討などが広範に行われました。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、過去数年間はオンラインでのイベント開催が主になっていたところ、今回は久しぶりの対面開催となり、本学とチューリヒ大学だけでなく学外諸機関を含め、2日間でのべ約100名の参加がありました。
シンポジウムは、湊 長博 総長の歓迎のご挨拶、チューリヒ大学のミヒャエル・シェープマン学長のビデオメッセージ、同クリスチャン・シュワルツェネッガー副学長のご挨拶、さらに来賓として出席賜った駐日スイス大使のアンドレアス・バオム氏によるご挨拶で開幕しました。続くオープニングプレゼンテーションでは、河野 泰之 副学長(国際戦略担当)が本学の戦略的パートナーシップの位置付け、チューリヒ大学との取り組みや実績を振り返りました。そして共同研究を行っている、本学の齊藤 博英 iPS細胞研究所(CiRA)教授らが登壇し、河野副学長と対話形式でラボ交流を通じた次世代研究者育成の成果や課題等について意見が交わされました。
メインセッションにあたる”Data science and social science“と”Data science and natural science”は初日と2日目の各々午後に行われ、初日は本学の羽深 宏樹 法学研究科附属法政策共同研究センター 特任教授、稲谷 龍彦 法学研究科 教授、愛知 靖之 法学研究科 教授らを含む両大学の法学の研究者に加えて実務家が登壇し、AIと法規制について日本、スイス、EUの事例を掲げて広く議論が行われました。続く2日目は本学の那須田 周平 農学研究科 教授や藤本 晃司 医学研究科 特定准教授らを含む、医学、植物科学、農学、法学の研究者が各々の研究がAIやデータとどのように関連しているかを挙げたのち、AIやデータで可能になったこと、AIやデータの使用にあたって留意すべきことなどについて問題点の提起及び共有が行われました。
また、2日目の午前にはECRs (Early Career Researchers)’ Forumと題し、次世代研究者によるピッチトークが行われました。開始に先立ち、在大阪スイス領事のフェリックス・メスナー氏によるスイスのイノベーションについて紹介がありました。その後、16名の研究者が自身の研究について3分で発表し、会場からの質問に応える形でディスカッションが行われました。戦略的パートナーシップで重要なミッションの一つとして掲げている次世代研究者育成を実践し、新しい共同研究の可能性を探るマッチングの機会となりました。。
最後は稲垣 恭子 理事・副学長(男女共同参画、国際、渉外(基金・同窓会)担当)による閉会の挨拶があり、若手や女性を含む多くの研究者にとって更なる研究交流の場となったことへの喜びや今後の協働への期待などを語られ、盛況をもってシンポジウムは幕を閉じました。
湊総長とチューリヒ大学のシュワルツェネッガー副学長による開会のご挨拶
河野泰之副学長らによるオープニングセッションの様子
各メインセッションでのパネルディスカッションや発表の様子
ECRs (Early Career Researchers)’ Forumの様子