欧州留学体験記 ~ハイデルベルクより(文学部3回生 森口 遥平さん)


■ 欧州留学体験記 ~ハイデルベルクより

森口 遥平(もりぐち ようへい)
 所属:文学部人文学科 3回生(留学当時)
 留学先:ハイデルベルク大学哲学科(交換留学)
 期間:平成26年3月から平成27年2月(約1年間)

 ハイデルベルクは歴史的街並みの残る古都であり、落ち着いて学問をするのには適した環境です。町の中心に川が流れているなど、京都と似た雰囲気があり、比較的簡単に馴染むことができました。また、留学生活を始める際に必要な、銀行口座・ビザ申請といった諸々の手続きは、ハイデルベルク大学と京都大学が協定校であるため、現地の日本学研究所が実施しているバディ・プログラムに申し込むことによって、現地で日本語を勉強している学生が助けてくれます。

 ドイツ最古の大学にして今なお高度な教育・研究が行われているハイデルベルク大学には世界中から学生が集まっており、講義もドイツ語ではなく英語で行われるものもあります。もちろん大半の授業や生活一般ではドイツ語が使われますので、ドイツ語の能力を持っていることが望ましいですが、その場合はハイデルベルク大学が運営している語学学校で集中的に学ぶことができます。大学での講義は難しかったですが、教職員の方は皆とても親切で、こちらの質問・要望にはその都度対応してくださりました。学術関係のみならず、食堂や図書館、寮といった施設もしっかりとしており、その他スポーツを始めとする多様な課外活動の提供もありますので、研究・余暇ともに充実した時間を過ごすことが可能です。大学が学期中に何度か企画するエクスカーションのプログラムでは、様々な場所に行き、ドイツの歴史や文化を直に学ぶこともできます。

 僕個人としては、専門である哲学の勉強の傍ら、ハイデルベルクで日本学を学んでいる学生とTandemと呼ばれる言語交換をしたりしながらドイツ語の学習をしていました。長期休暇中には、他大学の教授を訪ねたり、ヨーロッパで研究されている京都大学の先輩方にお会いしたりするなど、海外の研究者との交流に努めました。また、京都大学ハイデルベルクオフィスの活動の手伝いをさせていただくことで、京都大学および日本の他大学の国際展開の様子を伺うことができ、昨今大きな話題となっている「大学の国際化」について深く考える機会を得ることができました。

 留学全体を振り返ってみて一番良かったと思うのは、やはり自分の知らない生活環境に飛び込み、相異なる様々な価値観と出会っていく中で、徐々にその地の文化や人々を理解していく経験ができたことです。それを通じて、自らが背景に持つ文化や価値観などを相対的に見られるようになり、日本人としての自覚と責任を感じるようにもなりました。もちろん、個人的な悩みを相談することで友情が深まり、生涯に渡る友人ができたり、食堂のバーでビールを飲みながら、深夜まで話し合っていたときに、全然知らないおじさんがいきなり議論に参加してきたり、ということもありました。このような体験は留学して初めて得られるものだと思いますし、将来自分が社会に出たときに、様々な方々との繋がりを築き、互いに協力しながら物事を進めていく際に積極的に活かしていこうと考えております。

 多くの学生がハイデルベルクに留学し、現地でしか知ることのできない生のドイツを感じながら貴重な体験をすることによって、今後の人生をより実り多いものとされることを心から願っております。

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ハイデルベルクのクリスマスマーケットにて(12月)

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ミュンヘン近郊への旅行(8月)


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