京都大学欧州拠点メールニュース No.91「ハイデルベルクからメールニュースの配信を再開します!」


2024年04月

91

京都大学欧州拠点NOW! — フェローシップ・研究資金情報 — 欧州の研究動向 — 欧州滞在経験談

 

京都大学欧州拠点NOW!

欧州拠点メールニュースを再開します。

皆さま ご無沙汰しています。京都大学欧州拠点です。

昨年度は京都からの長期職員派遣が叶わず、メールニュースは「休刊」となっていましたが、2024年4月から職員の長期滞在が復活したことに伴い、装いも新たに「欧州拠点メールニュース」を再開することにしました。今年は欧州拠点設置から10年という記念すべき年にもあたることから、皆さまのお役に立てるような情報発信に努めて参りたいと考えております。

先般、ハイデルベルク大学のゲストハウスの管理人の方と話しているときに「最近は日本からの入居申込者が増えている」との話題が出ました。確かに1〜2年前よりは町で日本語を耳にすることが多くなった気はしますが、コロナ前に比べるとまだまだ。欧州拠点メールニュースでは、本学研究者(特に若手)がより多く欧州で研鑽を積む経験ができるよう関連情報を提供していくつもりです。また、「欧州のXXについて知りたい」といったご要望もぜひ、お知らせください。

あらためて、どうぞ今後とも引き続きよろしくお願い申し上げます。

フェローシップ・研究資金情報

[フェローシップ]

■ ベーリンガーインゲルハイムファンド(PhDフェローシップ)

#博士課程学生  #基礎生物 #基礎医学

申請期日: 2024年6月1日(土)(毎年、2月1日、6月1日、10月1日を期日に募集)
対象: 博士課程開始前あるいは開始直後の学生(6ヶ月以上経過の場合は資格失効) 
・基礎生物医学研究における実験的プロジェクトを支援 (詳細は募集要項参照)
助成期間: 24ヶ月間(但し、18ヶ月までの1回のみの延長は可能)
助成金額: 月額1,650ユーロ+150ユーロ(書籍や旅費に充当可能)

▼ 詳細

■ Leibniz Institute of European History (IEG) Fellowships 2025

#博士課程学生 #ヨーロッパ #歴史学

申請期日: 2024年8月15日(木)(毎年、2月15日、8月15日を期日に募集)
対象: 近世から1990年頃までの欧州の歴史を研究する博士課程学生
助成期間: 2025年3月開始
助成金額: 月額1,350ユーロ+家族を帯同する場合の補助あり

▼ 詳細

■ Advanced Research Opportunities Program (AROP)

#博士課程学生 #ポスドク #ドイツ #アーヘン

申請期日: 2024年9月30日(月)(毎年、3月31日、9月30日を期日に募集)
対象: アーヘン工科大学で研究滞在を希望する博士課程学生、ポスドク
助成期間: 最長6ヶ月間
助成金額: 月額1,800ユーロ+渡航費補助1,000ユーロ

▼ 詳細

[研究資金]

■ JST–DFG 2024年度 ASPIRE 日独共同公募

#量子コンピュータ #量子技術

申請期日: 2024年6月26日(水)17:00(日本時間)
対象: 生産性革命と安全保障に貢献する量子技術研究
・量子コンピュータ
・量子技術
・革新機能量子物質
助成期間: 2024年度~2029年度末
助成金額: 1課題あたり最大3億8,000万円

▼ 詳細

■ 戦略的創造研究推進事業 CREST におけるフランス ANR との日仏共同提案募集

#ナノ物質 #半導体

申請期日: JST 側:2024年 6月4 日(火)12:00 (日本時間)
ANR  側:2024年6月7日(金)10:00 (中央ヨーロッパ夏時間)
対象: ナノ物質を用いた半導体デバイス構造の活用基盤技術
助成期間: 2024年10月から2030年3月までの5年半以内
助成金額: 1.5–5億円

▼ 詳細

欧州の研究動向 | Trends in European Research

前項、研究資金情報の最後にあるANR(Agence Nationale de la Recherche)は、2005年に設立されたフランスの国立研究機構です。官民の協力や学際的な共同プロジェクト型研究を促進することで、イノベーションを生み出すことを企図しています。

ANRはまた、フランスの国家プログラムである”France 2030”の運営機関としての役割も担っています。2010年に創設されたPIA(Programme d’Investment d’Avenir, 未来への投資プログラム)がその起源で、PIAは成長を促進するための優先分野への投資とイノベーションを奨励することで雇用を刺激し、生産性を高め、フランス企業の競争力を高めることを目的としています。

2021年に開始された”France 2030”はこのPIAの理念を継承するもので、総額540億ユーロの予算が計上されています。このうち、120億ユーロ以上はANRが運営することが定められています。2010年以降、ANRは80以上の公募を行い、3,000以上のプロジェクトが採択されました。

France 2030では、地球環境が変化している状況に鑑み、自動車、航空宇宙、デジタル、グリーン産業、バイオテクノロジー、文化、医療などフランス経済が卓越している産業の変革を支援するとしています。

<France 2030の現代の主要課題に対応する10の目標>

  1. 小型モジュール炉(SMR)の開発(2035年まで)
  2. グリーン水素と再生可能エネルギーのリーダーに
  3.  産業の脱炭素化(温室効果ガス排出量35%削減達成)
  4. 200万台の電気自動車・ハイブリット車生産
  5. 初の低炭素航空機製造
  6. 健康的で持続可能かつトレーサビリティのある食品に投資、農業・食品革命を加速
  7. 少なくとも20品目のバイオ医薬品を生産(特にがんや加齢に伴う慢性疾患と闘い、未来の医療機器を生み出す)
  8. 文化的でクリエイティブなコンテンツ及び体験型技術の生産におけるリーダーに
  9. 宇宙開発研究の推進
  10. 深海への投資

▼ 参考

「AI DA資金でドイツ(欧州)訪問」|欧州滞在経験談

さる3月20日に、本学工学研究科都市社会工学専攻の孫文哲研究員が欧州拠点を訪れてくれました。孫さんはKURAと欧州拠点が支援するAI DAプログラムの京都大学・DAADパートナーシッププログラムの資金を活用して、ご自身がメンバーとして関わっている「DARUMAプロジェクト」の会議やワークショップに参加するためにミュンヘン工科大学(TUM)などを訪問されたものです。

DARUMA(Deep learning Anticipated Urban Mobility peaks)は本学やTUM以外に名古屋大学、日立製作所、ブタペスト工科経済大学、マドリードコンプルテンセ大学が参加する日欧共同プロジェクトです。プロジェクトのきっかけとなったのはCOVID-19で、このような感染症の世界的な流行で我々の生活様式が破壊されるような出来事を契機に人々の行動変容の要因を特定し、予測をするための方法論を開発することが目的となっているとのこと。

孫さんご自身は特に交通工学を専門とされており、実際にドイツや欧州の各都市を訪れて公共交通機関など様々な交通手段に触れられたことも訪問の意義として大きかったのではないかと思います。9月には孫さんの指導教員でDARUMAプロジェクトの日本側リーダーであるJan-Dirk Schmoecker准教授もハイデルベルクを訪問されることになっていますので、お話を伺うのが楽しみです。

▼ 参考

その他情報 | Information

■ DNA for ECRs参加者募集

DNA for ECRs (Doitsu-Nihon Academy for ECRs: 若手研究者向け研修プログラム) の第7回を、下記の通り本学にて対面で開催します。
京都大学欧州拠点がDAAD(ドイツ学術交流会)と共同で企画・共催、アカデミックキャリアを志向する学部生、修士課程・博士課程学生を対象に行われるワークショップです。

参加できる人数が限られていますので、皆さまの早めのお申し込みをお待ちしています。

テーマ: Expanding Your Reach: A Primer to Networking for Early Career Researchers
応募締切: 2024年5月 20日(月)17:00(日本時間)
開催日: 2024年6月21日(金)13:30-18:002024年6月22日(土)10:00-15:30(昼食提供有り)

▼ 参考

今月のひとこと | Word of the Month

欧州の大学・研究機関がモットーなどに掲げている言葉をご紹介します。今回は、英国のブリストル大学です。

ラテン語 :Vim promovet insitam

英語   :(Learning) promotes one’s innate power

京都大学欧州拠点 | Kyoto University European Center
Augustinergasse 2 | 69117 Heidelberg (Studentenkarzer, Heidelberg University)
Phone: +49 (0) 6221.54.30034 | Email: info_eu@oc.kyoto-u.ac.jp
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