次世代研究者支援に関わるHeKKSaGOn発展プログラムを開催


さる11月23日にHeKKSaGOnの発展プログラム”Five Dialogues for Future Research and Science with Early Career Researchers”がオンラインにて開催されました。これは本学のL-INSIGHT(世界視力を備えた次世代トップ研究者育成プログラム)とHeKKSaGOn2大学(ハイデルベルク大学、カールスルーエ工科大学(KIT) が共同で企画したものです。

 L-INSIGHTの5人のフェローが未来の研究課題のために今、彼らが議論すべきだと考える研究環境や研究領域における考え方など超領域的なテーマについてドイツ側2大学の若手研究者とダイアローグを行うという試みで、文字通り世界視力を養う一環として研究課題そのものを俯瞰するような根源的なテーマが設定されていました。

 当日は日本の祝日だったにもかかわらず国内外18大学から85名の参加登録があり、欧州拠点所長横山美夏の開会の辞に続き、ハイデルベルク大学のMatthias Weidemüller副学長、本学の時任宣博理事(研究担当)からのご挨拶を受けてイベントが始まりました。

パラレルで行われたセッションではフェロー自らがMCを務め、自身で問題提起をしながら相手と対話するというファシリテーションのスキルを実践で学ぶ機会ともなりました。セッションによって研究の細部に触れるものもあれば概括的な内容のものもありましたが、いずれも最後には一般参加者を交えての議論に発展していました。

75分間で議論を尽くすには各々が大きなテーマでありましたが、そもそも結論を導き出すことが目的ではありません。対話を重ねることで自身の課題を明確にしていく、あるいは新しい課題を見つける、若手研究者が未来に向けてより目的意識を持って研究を継続できるような仕掛けを提示することが企図していたことの一つでした。

フェローによるラップアップの後、3名のゲストからコメントをいただきましたが、その中でいみじくもKITのProf. Dr. Stefan Norraから「科学的な疑問を発掘し得る場は異文化が触れ合う場」とのご発言があり、今回のプラットフォームを評価してくださいました。また、本学副学長(国際戦略担当)の河野泰之教授は「疑問を共有すること」「未知を共有することが新しい疑問につながる」「疑問を提示することに躊躇するな」と、繰り返し「疑問(Question)」の重要性を強調されていました。更に、ハイデルベルク大学の田中求教授は「異分野間で疑問を一般化し共有すること。関連性がなければ無意味である」と述べて、研究における「問いの立て方」について言及されました。

今回はパンデミックの状況を勘案してオンライン開催となりましたが、初夏にはドイツを実際に訪問しての続編が計画されています。欧州拠点もその成功に貢献できるよう、引き続き支援を続けていくつもりです。

 

L-INSIGHTのページへ


pagetop
Search