京都大学欧州拠点メールニュース　No.59 欧州に激震走る

　春の到来を告げる風物詩カーニバルを終え、ハイデルベルクを二分するネッカー川のほとりでは、桜が開花し始めています。そうした季節の移ろいを感じつつ、アイスクリーム店やカフェ、レストランのテラス席に人々が腰掛け始める…はずでしたが、今年は全く様相が違います。新型コロナウイルスが東アジアに続いて欧州で猛威を奮い、爆発的な感染拡大を続けています。欧州諸国は、国境封鎖や移動制限、日常生活における規制等の対策を日々打ち出して、先の見えない暗闇に立ち向かっています。
　イースターを待ちわびて店頭に並ぶウサギたちも、悲しげな表情を浮かべていました。一日でも早くウサギたちに笑顔が戻ることを、そして人々に日常が、活気ある街並みが戻ることを願い、欧州拠点も情報収集・発信に努めて参ります。

【現地に留まることを決断された留学生・研究者のみなさんへ】
　このたび、欧州拠点員も一時帰国し、イースター明けまで拠点を閉鎖することになりました。しかしながら、現地の渡航情報や生活情報は目まぐるしく変化しています。現地のニュースや滞在国の日本大使館のWEBページ、外務省のたびレジに登録すると届くメール等を通じて情報収集を行ってください。我々もサポートを続けるべく、各国の情報収集を行っています。情報が足りない等の悩みや不安があれば、どうぞおひとりで抱え込まぬよう、メールにてご一報ください。

 

今月の目次

1.　欧州拠点Now!
2.　国際共同研究のための外部資金公募情報
3.　短期留学プログラム（語学研修・異文化交流）の公募情報
4.　欧州拠点関連のイベント情報
5.　その他の情報

 

1.　欧州拠点Now!

■新型コロナウイルスへの対応について
欧州各国での生活を続けるために、また今後日本への帰国や欧州への入国を検討するために参照すべきリンク先をお知らせします。
・在学生・教職員の皆さんへ（本学HPより）
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/about/foundation/coronavirus/

・日本への入国制限Q&A（厚生労働省HPより）
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/covid19_qa_kanrenkigyou_00001.html

・日本からの渡航者に対する入国・入域制限（外務省HPより）
https://www.anzen.mofa.go.jp/covid19/pdfhistory_world.html

■その他
「DAAD – Kyoto University Partnership Program」の2021年度採択プロジェクトが決定しました！
本学とドイツ学術交流会（DAAD）は、日独の若手研究者の双方向での研究交流を促進するマッチングファンドプログラムを実施しています。
この度、2021年度に実施される7組のプロジェクトが決定しました。欧州拠点では、当プロジェクトで欧州・ドイツに滞在する若手研究者の活動が有益になるような情報提供・現地での支援を行っています。
詳　　細： https://www.kura.kyoto-u.ac.jp/funds/361

 

2.　国際共同研究のための外部資金公募情報

　欧州の研究機関、財団、大学が提供するグラント・フェローシップを中心に、本学の研究者が応募可能な公募情報を
随時収集・配信しており、そのなかでも、特に関心が高いと思われるものを選りすぐってここに紹介しています。
拠点の特集ページ（https://www.oc.kyoto-u.ac.jp/overseas-centers/eu/research/grants/）や“fund It”（https://fundit.fr/en）と
呼ばれる情報ポータルには、他にも多くのグラント・フェローシップが掲載されていますのでぜひご覧ください。
なお、学内事務を通じた応募が求められる場合、各部局での締め切りが1-2週間前に設定されることがありますのでご注意ください。

■DAAD (ドイツ学術交流会) 大学教員・研究者のための研究滞在奨学金
自身の専門分野に関わるドイツ国内の専門家と、情報交換・ネットワーク構築を行うことを目的とする。
①研究奨学金（短期）
・応募締切：2020年4月15日
・対象：博士課程在籍者、ポスドク
・目的：ドイツでの研究活動
・給付期間：1～6ヶ月（2020年10月から渡航予定者を対象）
②大学教員・研究者のための研究滞在奨学金
・応募締切：2020年4月15日
・対象：博士号を有する大学教員・研究者
・目的：ドイツでの研究活動
・給付期間：1～3ヶ月（2020年8月から2021年1月の間に渡航予定者を対象）
各奨学金の詳細につきましては、DAADのホームページをご覧ください。
・支給内容：滞在費として2000～2150 EUR /月、ほか旅費を支給
・詳　　細：https://www.daad.jp/ja/find-%20funding/scholarships-for-students-and-%20graduates-from-japan/

■日独若手専門家交流事業ドイツ研修旅行プログラム
・締め切り：2020年4月15日
・申請資格：40歳以下、長期にわたってドイツに滞在した経験のないこと
・募集分野：医療バイオテクノロジー（特に癌とアルツハイマー）
・助成期間：2020年6月13日~21日（6月22日，日本着）
・助成金額：航空費，宿泊費，ドイツ国内移動費，食費，各種入場・入館料を負担
・概　　要：日本人研究者がドイツを訪問し，産官学の研究機関を視察訪問し，ドイツの研究者と医療バイオテクノロジー（特に癌とアルツハイマー）に関する意見交換等を行います。
・詳　　細：https://www.mofa.go.jp/mofaj/erp/c_see/de/page22_003251.html

■令和2年度「戦略的情報通信研究開発推進事業（国際標準獲得型）」研究開発課題の公募‐日EU共同研究‐
・締め切り：2020年4月22日
・申請資格：下記URL参照
・募集分野：デジタル技術を活用した高齢者のためのスマートな生活環境の構築
・助成期間：最長3年
・助成金額：総額約 4億8000万円
・概　　要：この公募では、現在の最先端技術の活用により実現されるよりも質の高いスマートな生活環境を高齢者に提供するといった効果が期待されています。
・詳　　細：http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin04_02000092.html

■NPO法人ケイロン・イニシアチブ 〜研究者の家族のための助成金制度
・締め切り：2020年4月30日
・申請資格：下記URL参照
・交付時期：2020年6月末日頃
・助成金額：10～40万円
・概　　要：日本国外の大学や研究機関に所属 又は所属しようとしている研究者に帯同する家族を対象とした新しい助成金制度です。
・詳　　細：https://www.cheiron.jp/grant

■CREST-ANR 日仏共同提案募集
・締め切り：2020年5月6日
・申請資格：下記参照
・募集分野：①革新的力学機能材料の創出に向けたナノスケール動的挙動と力学特性機構の解明、②
数学・数理科学と情報科学の連携・融合による情報活用基盤の創出と社会課題解決に向けた展開
・助成期間：5年半
・助成金額：1課題当たり総額3億円程度
・概　　要：CRESTの枠組みの中で、日仏研究者による日仏共同研究プロジェクトの支援を行います（日仏共同研究提案と通常の研究提案とを分けずに審査、どちらか一方が有利になることはありません。採択後も通常のCREST課題と同様に研究を推進します）。
・詳　　細：https://www.jst.go.jp/kisoken/boshuu/teian/top/info/info_04.html

■AMED-Interstellar Initiative
・締め切り：2020年5月8日
・申請資格：最終学位取得後ならびに研究歴が概ね10年以内、大学、研究機関等で助教以上、あるいは相当する職位に就いていること、ニューヨークで開催される本プログラムの2度のワークショップに参加できること（第1回：2020年9月11日～13日、第2回：2021年2月8日～9日）
・募集分野：Healthy Longevity（健康長寿）に関係がある全分野
・助成期間：下記参照
・助成金額：1チーム当たり2,300千円程度
・概　　要：日本医療研究開発機構（AMED）は、本プログラムの令和2年度のテーマ「Healthy
Longevity（健康長寿）」に関する医療研究分野の難課題の解決に対して、独創的なアイデアを持つ若手研究者（Early Career
Investigators）をニューヨーク科学アカデミー（NYAS）と共同で世界各国から公募します。
・詳　　細：https://www.amed.go.jp/koubo/03/01/0301B_00063.html

■日仏財団研究フェローシップ
・締め切り：2020年5月15日
・申請資格：国際的に高いレベルの研究を実践する研究者（博士号は必須でない）
・募集分野：①人と機械の関係性の未来ビジョン、②マクロ経済学と経済政策、③21世紀の大都市のためのモビリティとは
・助成期間：2021年1月1日～2022年3月31日（5ヶ月または10ヶ月）
・助成金額：渡航費＋滞在費（12000 or 24000 EUR）
・概　　要：人文社会科学分野における豊富な研究者ネットワークや、パリにおける国際的かつ学際的な研究環境の提供を受けることができます。
・詳　　細：http://ffj.ehess.fr/chaires.html

 

3.　短期留学プログラム（語学研修・異文化交流）の公募情報

　欧州の協定校が提供しているものを中心に、短期留学プログラムを選りすぐってここに紹介しています。
他にも、多くのプログラムが欧州の各大学から提供されており、中でも代表的なものは拠点の特集ページ
（https://www.oc.kyoto-u.ac.jp/overseas-centers/eu/education/educational-program/）にも掲載していますのでご覧ください。
　なお、世界中、特に欧米で感染拡大が著しいコロナウイルスによる各国の情勢を鑑みて、受講費全額免除枠（ハイデルベルク大学2名分、ルクセンブルク大学2名分）の学内募集は見送られることになりました。興味を持ってくださったにも関わらず、募集の取りやめをお伝えするのは非常に心苦しいのですが、どうぞご理解をお願いします。今後、各種短期プログラムの開催そのものが見合わせとなることも予想されますので、くれぐれも現地の情報収集に努めてください。

■ハンブルク大学
・締め切り：2020年5月15日
・渡 航 先：ドイツ
・テーマ　：計3コース（Particles, Strings & Cosmology / Language Diversity,
Education and Social Participation / Health Economics）
・開催期間：2020年7月6日〜7月31日（コースにより異なる）
・詳　　細：https://www.uni-hamburg.de/en/internationales/studieren-an-der-uhh/summer-schools
・備　　考：本学学生を対象とした受講料補助（20%）が設けられています！ 本枠への応募にあたっては、事前に欧州拠点へご連絡ください。

■ハイデルベルク大学
・締め切り： 2020年6月15日
・渡 航 先： ドイツ
・テーマ　： German Language and Culture
・開催期間： 2020年8月3日〜8月28日
・詳　　細： https://www.zuv.uni-heidelberg.de/international/ferienkurs/index_en.html
・備　　考： 本学学生を対象とした受講料免除の特別枠（最大2名）が設けられていましたが、学内募集を見合わせることになりました。

■ウプサラ大学
・締め切り： 4月15日（最も早いコース）
・渡 航 先： スウェーデン
・テーマ　： スウェーデン語や、同国の文化や政治、社会を学ぶコース
・開催期間： 6月14日～8月14日（このうち2,3,6,9週間のいずれかを選択）
・詳　　細： https://uiss.org/

■ユトレヒト大学
・締め切り： コースによって異なる
・渡 航 先： オランダ
・テーマ　： 計227コース（人文社会科学から自然科学まであらゆる分野）
・開催期間： コースによって異なる
・詳　　細： https://www.helsinki.fi/en/admissions/helsinki-summer-school

■ウィーン大学
・締め切り：2020年4月30日
・渡航先：オーストリア
・テーマ：summer school for international and European studies
・開催期間：2020年7月18日〜8月15日
・詳細：https://shs.univie.ac.at/summer-school/

■ボルドー大学
・締め切り： コースにより異なる
・渡 航 先： フランス
・テーマ　： 哲学や政治科学、AI、エネルギー科学、神経科学等を学ぶ計11コースを実施。
・開催期間： 2020年5月～9月（コースにより異なる）
・詳　　細： https://www.u-bordeaux.com/Education/Study-offer/Summer-schools/Bordeaux-Summer-Schools

 

4. 欧州拠点関連のイベント情報

■日独ジョイントレクチャーの講演者募集中！

日独ジョイントレクチャーは、相互にオフィスを持つハイデルベルク大学と京都大学が、
双方の学術交流の深化と発展を目指して不定期に開催しているもので、これまでに全17回を
開催しています（https://www.oc.kyoto-u.ac.jp/overseas-centers/eu/research/jd-joint-lecture/）。
欧州拠点では、講演者としてご登壇いただける方を随時募集しております。
欧州に滞在または訪問予定でジョイントレクチャーにご関心をお持ちの教員の方は欧州拠点
までお知らせください。

 

5.　 その他の情報

■新型コロナウイルス感染症への対応について
日本学生支援機構（JASSO）が奨学金や各種留学生支援事業、イベントの取り扱いについて、情報を発信しています（https://www.jasso.go.jp/sp/news/1327624_5021.html）。

■海外留学支援サイト
・運　　営：日本学生支援機構（JASSO）
・詳　　細：https://ryugaku.jasso.go.jp/

■欧州留学ガイド2019
・発　　行：駐日欧州連合代表部
・詳　　細：https://eeas.europa.eu/sites/eeas/files/20190424_eu-brochure_jp.pdf